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ローマ郊外のティヴォリにある世界遺産”ハドリアヌス帝のヴィラ”

田澤 龍太郎

田澤 龍太郎

イタリア特派員

更新日
2019年3月22日
公開日
2019年3月22日
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ローマの東側の30kmあたりに位置するティヴォリ(伊語:Tivoli)の町は、前回の特派員ブログ(前回の記事はこちら)でもご紹介させて頂きましたが、この町へ足を伸ばす価値のある世界遺産の一つ、ハドリアヌス帝のヴィラ(伊語:Villa Adriana)にある遺構の一つ、セラーピス神殿(伊語:il Serapeo)が2019年3月22日より一般公開されると情報が入りましたので、この機会に改めてご紹介させて頂きたいと思います。

この広大なハドリアヌス帝のヴィラであるヴィラ・アドリアーナは、118年より建設され、120ヘクタールの規模を持っていますが、現在も考古学の発掘作業が続けられ、3分の1程度しか見ることができません。今回、公開されることになったその一部のセレーピス神の神殿は、古代エジプトの町カノポス(伊語:Canopo)そのものを表しています。回廊のある半円形の広場、ナイル川を表した119メートルある長い水路、水路沿いには彫像が取り囲まれており、お客様をおもてなしするために使われていたとされています。

このヴィラ内にある遺構の海の劇場(伊語:Teatro Marttimo)が皇帝の私的な隠れ家と言えるのなら、このセラーピス神殿は、このハドリアヌス帝のヴィラにある遺構の中でも世俗的なもので当時は重要な役割を果たしていたと考えられています。このヴィラそのものもローマ帝国時代の水準から考えれば、破格とも言えるこの場所で、このセレーピス神殿も他の遺構と同じように迷路のような造り、地下道や地下へ繋がる階段と二層構造になっていて、奥行きのあるファーサイドが特徴的ととても非常に見る価値があるだけではなく、ハドリアヌス帝のこだわりが垣間見えます。

歴代皇帝の中でも旅好きで情熱的な建築家でもあったハドリアヌス帝は、旅先で見てきた建造物からヒントを得て、このヴィラの設計をほとんど自らでしたと言われています。このようにヴィラ(庭園)というよりも小さな町がしっくりくるこの遺構は、まさにハドリアヌス帝の情熱が凝縮されているとも言えます。

歴代皇帝の中でも旅好きで情熱的な建築家でもあったハドリアヌス帝は、旅先で見てきた建造物からヒントを得て、このヴィラの設計をほとんど自らでしたと言われており、ヴィラ(庭園)というよりも小さな町がしっくりくるこのヴィラは、まさにハドリアヌス帝の情熱が凝縮されているとも言えます。

大都市ローマからわずか30km先のところにあるこの広大な遺構は、皇帝が旅したエジプトやギリシャそして、ローマの文化的な要素を持った素晴らしい建築群で後世にも影響を及ぼしており、その壮大さを感じるだけでも訪れてみるべき場所です。

【アクセス方法】

ローマの中央駅のテルミニ(伊語:Termini)駅より地下鉄B線にてポンテ・マンモロ駅(伊語:Ponte Mammolo)駅下車後、Cotral社のバスにて約40分。但し、Villa Adrianaを通るバスは本数が極めて少ないので、注意が必要です。

Cotral社 URL: https://www.cotralspa.it/

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