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クアラルンプールから北へ約200kmに位置するイポー(Ipoh)。
石灰岩の奇岩に囲まれた独特な風景と華人が多く住む美食の街としても知られています。
車では高速経由で約2時間半、電車ではターミナルのKLセントラル(KL Sentral)駅からイポー駅まではマレー鉄道の高速鉄道で約2時間半ほどのアクセスとなっています。
イポー駅から徒歩5分の旧市街に見所が集中しているので、日帰り観光にも最適です。
旧市街で目を引くのがイギリス統治時代の歴史的建築群。
公会堂、裁判所、銀行など、白を基調とした白亜の建物が今もなお保存されています。
イポー散策の記事でもお伝えしたバーチ・メモリアル・クロック(Birch Memorial Clock)の階段を下ってまっすぐ歩くと、旧市街の中心で観光スポットとして有名な「お妾さん通り(Concubine Lane)」へと続いています。周辺はイポー・ヘリテージ・トレイル(Heritage Trail)と呼ばれ、歴史散策にぴったり。
その途中に小さな路地(Panglima Lane)と大通り(Jalan Sultan Yusof)が交差する角に、現在は空きテナントとなっているショップハウスがあります(2年前はカフェとして営業していました)
この場所には第二次世界大戦前にミカサ・フォト・スタジオ(Mikasa Photo Studio)という屋号の写真館があったとされています。
そして真偽のほどは定かではありませんが、なんと写真館の日本人店主がスパイだったのでは?と言われています。
写真家としてマレーシアに滞在しているので、カメラで各地を撮影をしていても怪しまれることもなかったとのこと。
興味をひかれてその場所を訪ねようと調べたのですが、なかなか通りの名前や番地がはっきりせず。
そこで近くで昔から店を営んでいたと思(おぼ)しき方にお聞きしたところ……。
「ジャパニーズ・スパイ・ハウス」と呼ばれていて、イポーでは有名だったとのことです。
ローカルの人々にとっても意外にもよく知られた話のようでした。
ただしお店に方も、先代を遡る話のため、さすがに詳しいことはわからないとのことでした。
当時の面影を残すショップハウスが今もなお現存しているという事実。
そして、なんとも謎めいた混沌とした1900年代前半のアジアの時代背景なども考えると、映画になりそうなミステリアスな話ですね。
【データ】
イポー(Ipoh)市オフォシャルサイト