キーワードで検索
アッペンツェル地方の「代表的なもの」かつ「伝統的なもの」のひとつに、地元の山や丘に生えている薬草を使った「治療法」があります。
他の地域よりも、「薬草を使った治療法」がアッペンツェルでは民間レベルの生活に根ざしていたようで、1871年には地元民の意向で「薬草を使った治療法」が州法として認められるほどでした。
地元民の自然療法への信頼と効いたと思う実感が、現在においてもアッペンツェル地方の自然療法が確固とした地位に収めていられる理由でしょう。
なだらかな丘が続くアッペンツェルの典型的な景色。
そこには、いろいろな薬草が春から秋に茂っているのです。
さて、薬草というと思い浮かぶのは、ハーブティーやハーブを使ったキャンディー(のど飴)かもしれませんね。
ここアッペンツェルでは、ハーブティーやキャンディーはもちろん、アルコールに漬けたチンキや、塗り薬、咳止め、薬酒などがスーパーや薬局で売られています。
Naturheilmittelpraxis(ナトゥールハイルミッテルプラクシス、自然療法診療所)が正規の診療所としてスイスから認められていているのは、今のところアッペンツェルのみ。
薬局だけでなく自然療法の診療所はもちろん、一般的な診療所でも薬草を使った薬が処方されるのです。
代表格は、いくつもの薬草を使った、日本でいう養命酒のような存在のアッペンツェルビター。茶色くドロっとした甘みのあるお酒で、29%もアルコールが入っているなんて思えない口当たりの良さ。
バニラアイスクリームに混ぜたり、サラダのドレッシングに入れたりと、「子供の口に入るのでは」と私はハラハラしているのに、地元民たちはへっちゃら。
一般の診療所でも、「疲れたならアッペンツェルビターを夜寝る前に一口飲んでください」と処方されると聞けば試してみたくなる性格の私は、寝る前に一口飲んでみました。
暗示にかかったのか?寝つきが良く、そういえば、母がいつも「他のアルコールだとそうはならないのに、アッペンツェルビターを飲んだらスーッと眠れてる」と言っているのを思い出し、これは私の思い込みではないのかも、と思うようになっています。
エンチアンの花。
標高2500mの山のてっぺんに咲いていました。
なんとも力強い色。
日本語でリンドウ、実際にこの種のエンチアンが薬草として使われているか調べなくてはいけない課題ですが。
我が家の食料品棚には、「Santasapina」という咳止めキャンディーが常備されています。(右から2つめに見える緑の袋)
スイスならでは!の商品なので、お土産にもぴったりです。
いくら喉が痛くてもボンボンをなめるのが好きじゃない私ですが、これだけは特別で、まあ美味しいのと、本当に効き目があると思うのです。
スイス全国、どこででも買える有名なボンボンなのですが、なんと我が家のすぐ近くにある会社が作っている製品。
次は、この会社についてご説明します。