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かつて三角貿易で栄えた港町であるイギリスのリバプールには、スカウス(scouse)という名の郷土料理があります。ビーフシチューに似たスカウスは、古くから地元民に食べられてきた人気メニューですが、そのあまりの素朴さに普段の家庭料理として作られる事が多く、お店では中々見つけることが難しいです。
そこで今回は、観光客には稀少なスカウスを必ず食べられるパブレストラン、マー(Ma Boyle's Alehouse and Eatery)をご紹介します。
スカウスってどんな料理?
スカウスの祖先は、北欧の船乗り達によって食べられていたロブスカウスというシチューが由来で、同じく船乗りの多い港町リバプールでも大人気になったそうです。厳密なレシピはなく、家庭では元々、余った野菜などの残り物を一緒くたに煮込む質素な料理という位置付けです。(出展: Delishably)
外で食べる場合でも、各店オリジナルのこだわりレシピがあり、違った味が楽しめます。リバプールっ子はこの料理をよく食べるため、自らを愛着をこめてスカウザーと呼んだり、リバプール訛りの通称としてもよく知られています。
独身卒業旅行としても人気のリバプール
カモメが飛び交う美しい港を持つリバプールは、かのタイタニック号を運行していた会社があった街でもあり、ロマンスの雰囲気が漂うのでしょうか。街にはイギリスでヘン (hen)パーティーと呼ばれる、独身最後のパーティーを楽しむ同性同士の小グループを多く見かけました。
参加者は花嫁が小さなウエディングベールを、その他のお友達がヘン パーティー等といったキーワードが書かれたタスキをかけているので、すぐにソレと判ります。男性版はスタッグ(stag)と呼ばれ、やはり他の街と比べても男性同士のそれらしきグループが歌など歌いながら陽気に闊歩しています。
お目当てのパブレストラン、マーにてスカウスを食す
そんな若者グループやカップル、友人同士、仕事帰りに一杯やっているオジ様、わざわざ予約までして駆け付けるファミリーなど、幅広い層のお客さんで賑わうパブレストラン、マーには普通のクラシック スカウス 8.5 ポンド(約1130円)とベジタリアン版お肉なしのタイプ 8 ポンド(約1060円)があります。
パブなので、ビールなどの飲み物はバーカウンターで注文します。2つの料理の違いは単にお肉のビーフが入っているかないかで、お値段も大して変わらないので是非ともお肉入りクラシック版の注文をお勧めします。
程なく運ばれてきた、待ちに待った名物料理のスカウス。見た目はビーフストロガノフのようでしたが、上記にも書いたように各店アレンジを加えるので、他ではまるで肉じゃが、と言う人もいて見た目もかなり様々なようです。口に入れるとお肉がホロっと崩れる程の柔らかさ。それもそのはず。レシピが書かれた手拭いをお土産に買ったのですが、そこにはなんと計3時間も煮込むと書いてありました。どうりで納得です。メインとしてのお料理なので、サラダとパンもついてきてこれだけでも軽食になります。
ツマミに頼んだペリペリ チキンの手羽先 7 ポンド(約930円)も皮がパリッと香ばしく、レモンスライス入りのフィンガーボールまでついてくるオシャレさです。
こちらのマーはハーバー寄りで少し奥まっていますが、すぐ横にあるリバプール パリッシュ(Parish)教会が目印です。一度は市街の中心部にまでスカウスを求めて歩き回りましたが、少なくとも外に出ている各店のメニューにスカウスという文字はなく、わざわざまたマーに戻ってまで食べに行きました。皆さんには時間と体力の節約の為にも、是非こちらのマーに直接向かってみる事をお勧めします!
マー(Ma Boyle's Alehouse and Eatery)住所: 7 Tower Gardens, Tower Building, The Strand, Liverpool L3 1LG イギリス最寄駅: 鉄道 ジェームズ ストリート(James Street)駅営業時間: 11時半〜22時 (週末は10時より)URL: http://www.maboyles.com/ツアー