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No.86 Cantina Lumavite で楽しむVendemia、気軽にぶどうの収穫期を楽しめます

丹羽 淳子

丹羽 淳子

イタリア特派員

更新日
2019年9月25日
公開日
2019年9月25日
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みなさん、おはようございます。 夏の暑さが落ち着いたかと思うと、続けざまに台風が発生していますね。 各地での被害が心配です。こちらもお天気はかなり不安定で、雨の日がかなり多くなりました。 厳しく長い夏が終わり、駆け足で秋がやってきてしまった模様です。

さて、夏の終りの時期といえば、マルケ州各地にあるカンティーナ(ワイナリー)では、ぶどうの収穫が最盛期を迎えます。 白ぶどうならば8月の終わりから。10月中旬くらいまで続くぶどう収穫(Vendemia)ですが、 この9月が最もの山場と言えるでしょう。 マルケ州には大小様々なカンティーナが数多く存在し、ひとびとの生活にも結びついています。 イヴェントも色々と企画され、先日は、Rapagnatoというアスコリ・ピチェーノエリアにあるカンティーナで開催されたイヴェントに参加してきました。

マルケ州独特のひくい丘陵地がなだらかにつながります。

ワインの美味しさは畑にある。というのが彼らの理念。見てください、この美しい畑。果実が損傷しないように、また、彼らの思うように育つよう、いろいろな工夫がなされています。約6ヘクタールの畑を持つ比較的小規模生産者の彼らですが、ワインのクオリティは常に州でトップクラス。

モンテプルチアーノ。手のひら大サイズの小さな房で、果実も小さめですね。

カンティーナの名前はLumavite 。2002年に生まれたカンティーナですが、イタリアの厳しいワイン規制にとらわれず、自分たちが生み出したいワインを自由に作っているのが特徴的です。

イベントでは彼らのワインのうちの二種類のワインの名前に使われている"Vidacilius(ヴィダチリウス)"、"Lafrenios(ラフレニオス)"。古代ピチェーノ人から取った名称らしいですが、その人となりを研究者の方がプレゼンテーション。紀元後すぐの話しで、土地に根付く歴史がすごいな、、と思い知らされます。

その後は、特別にワイン発酵が終わったすぐ後のモストの味見をさせていただきました。ワインとは、ぶどうのジュース内の糖分が、酵母菌とくっつき化学反応を起こして、アルコールと変わって、ワインの素が出来上がります。発酵が終わり、そのあとにステンレスタンクやセメント樽、木樽などを使ってワインを造り上げていくわけですが、その「造り上げる前」の素の味見です。いや、これがびっくりするほど美味しかった!味がとてもキレイで、嫌味も引っかかりもなく、とても丁寧に作業されたんだろうなということが想像できます。ワインを勉強するものの立場として、良い経験をさせていただきました。

そんなこんなも終わって、あとはカンティーナ内でワインのテイスティングです。それぞれ好きに何杯でもワインを戴いています。おつまみも素晴らしい。これがイタリアのすごいところだと思うのですが、なんでも「地産地消」があるところ。この日は、オリーブオイルの生産者さんと、豚肉屋さん、パスタ屋さんが食べ物を提供してくださっていました。

新鮮で安全な豚肉を加工した数種のサラミ。贅沢ですよね。一番左に写っているのが、マルケ州での特産品「チャウスコロ」です。イタリアに住んでみて「食」と生活のつながりの強さを感じることが多く、生産者の顔が見えにくい中で育ってきた私にとっては、新鮮な驚きと気付きの連続です。ワインを気軽に知って、美味しいものをちゃんと選ぶことができるようになるには、こうやって実際の生産者さんやその場所を見ることがとても大切なことに思います。ぜひ、マルケ州にいらっしゃったら、美味しいカンティーナの訪問も楽しまれてくださいませね。では、今日も良い一日を。Buona giornata.

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