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いよいよ国立マルケ美術館探訪も3日目になりました。今回は美術館で最も有名な作品たちをご紹介します。おそらく15程度の部屋を通り、ようやく行き着く2部屋に注目の作品は展示されています。
Piero Della Francesca の作品 『キリストの鞭打ち』。
ちょっと変わった画題ですよね。画面後方ではむち打ちにされているイエスキリストが見えます。こちらの絵にも遠近法が使われています。この右手にいる3人の男性、、、これが誰なのかは解明されていないらしく、学者さんたちはいまだに喧々諤々しているとのこと。
この絵の後ろ側に飾ってあるのが「セネガリアの聖母」。これもPiero Della Francescaの作品で、フェデリコ公の娘がセネガリアの侯爵に嫁入りする際に描かれたものだそうです。第1次世界大戦まではセネガリアの教会内にて保存されていたものだそうです。綺麗に残っていたものですね。ルネッサンス期は写実的な画法にこの遠近法を加えた画風が特徴的です。
遠近法といえば『理想都市』の存在を忘れてはいけません。作者不明。部屋の入口から相対する壁に掲げられているのですが、見た瞬間軽くめまいがするような感覚になりました。
この写真を見て頂いたらお分かりいただけるでしょうか。絵画というよりも、立体模型が置いてあるようです。
明るく、広々としたオープンな町ですが、人は誰もいません。でも窓際には植物がみられ、人が住んでいた(いる)ことはうかがい知れます。この絵の中に存在する生物は2匹の鳩。ぜひ、お探しになってみてくださいね。
この絵を見る際に、なぜか美術館のスタッフの方が着いてきてくださったんです。初老の紳士で、ちょっと腰辺りに手をまわしながら(笑)・・・。つまらないですものね、館内でじっと監視しているのなんて。その方がこのすばらしい絵について説明して下さり、そして、最後は「これは誰にも内緒だよ」と見せてくださった景色がこれ。まるで壁かと思ったら、そこには扉がありその外はバルコニー。このバルコニーからはウルビーノが外と繋がる唯一の道と接するPiazza Mercataleが見下ろすことができます。
ちょっとした王様気分。ありがとう、おじさま。
本好きであったということで知られる公爵。1000冊に及ぶ彼の蔵書はヴァチカン図書館に収められているそうですが、
こちらの小さな書斎も非常にしばらしい。この美術館で一番の宝物だ、とおっしゃっている方もいらっしゃりました。頭上部にはずらりと歴代の哲学者や教皇、詩人など画が並び、書庫となる部分には木象嵌をこれでもかというほどに使った設え。
公爵という人の力ぶり、財力のすごさがよくわかりますよね。コレクションされた絵を見ることもすばらしいのですが、当時の様子がうかがうことができる建物内部の隅々をしっかりと見て回れるってすごいですよね。
美術館、実はまだ終わっていません。来週にも続くかな…?では、またお会いしましょう。Ci vediamo presto.
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名前:Galleria Nazionale delle Marche所在地:Piazza Rinascimento, 13, 61029 Urbino PUTEL: 0722 2760時間:月:8:20~14:00 火~日:8:20 ~ 19:20
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