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No.105 アンコーナの名物料理【Stoccafisso all’ Anconetana】の作り方をご紹介

丹羽 淳子

丹羽 淳子

イタリア特派員

更新日
2020年2月5日
公開日
2020年2月5日
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皆さん、おはようございます。冬になると家に籠る時間が長くなり、自然とキッチンに立つ時間が長くなります。主人がイタリア人ですので、友人たちによく「食事で和食も作るの?」と聞かれるのですが、ここで手に入る食材で和食を作りあげることはなかなか難しいため、「なんとなく和風」な食事ができあがることがほとんど。お料理もとてもシンプルでお肉や魚を焼いたり、野菜を茹でたり蒸したものにオリーブオイルをかけたものなど、日本のお母さんたちが作っているような手の込んだものは平日の食卓にはあまり並ばないような気がします。

話しがそれましたが作る料理は創作料理に近いモノばかりですので、日本で使ったことが無いような素材を手に入れたときは、こちらの料理サイトでレシピを検索して自分の感性にピンときたものを選んで、70%ほど忠実に料理をします。

今回は「Stoccafisso(ストッカフィッソ)」という魚を使ったお料理です。家でStoccafissoを調理するのはなんと二度目。どうしても、こういう特別な食材は本物のシェフさんに作ってもらったモノを戴いた方が間違いなくおいしいのではないか? という疑問が残るため、なかなか買い物の際に手が伸びないのです。

Stoccafissoはあまり聞きなれない単語かもしれません。鱈(Meruluzzo)を乾燥させたもので、基本的には塩が使われていません。塩が使われている乾燥鱈はBaccla'と呼ばれ、世界的にもよく知られている物だと思います。アンコーナは港町ということもあり、新鮮で豊富な魚介類を手に入れることができますが、このStoccafissoの存在は特別で市場には"Stoccafisso"専用の店もあるくらい。基本的に水に戻して写真のように「おいしそう」なぷりぷりの白身になった状態を購入します。

さて、「Stoccafisso all' Anconetana」とはどんな料理かと申しますと、鱈とジャガイモの煮物です。レシピをざっとしか読まないのが私の悪い癖なのですが、しっかり読み込むとなんと調理には6時間ほどの時間が必要だとか‥‥‥。そうなんです。イタリア料理って行程や手間は少ないのに、下処理や煮込みにやたらと時間がかかるんですよね‥‥‥。

簡単なレシピですが、500gのStoccafissoを一口大に切り分け、2~3時間その身を牛乳に浸します。オリーブオイルと西洋パセリや、ローズマリー、ニンニク、塩を混ぜて合わせソースを作っておきます。できれば焦げつかないように下に波目模様が有るようなお鍋に、Stoccafissoの身を皮が下にくるように並べ、その上に塩を振りかけてオリーブオイルのソースをかけます。トマトと種抜き黒オリーブ、一口大に切ったジャガイモをその上に置きまたソースをかけ、一番最後に白ワインをまぶします。そのあと、蓋をして3時間半ゆっくり煮込んでできあがり。3時間半って!!

これは2時間程度煮込んだ後の状況。

本当は木曜日の夜に食べようと用意したものの、煮込み時間が足りなかったため金曜日の夜に食べることになりました。味は絶品。自分で作ると塩加減や油加減が調節できるからとても便利。実際に主人から「普通に店で食べるよりも、かなりオイルが少ないね」と言われました。店でいただく物は、まるでオイル漬けかのごとく、オイルまみれになっているそうです。

しっかりした味なので赤ワインにも合いました。次の日のランチには、残った物をアレンジしてリゾットに。

「Stoccafisso all' Anconetara」ぜひ、アンコーナエリアで召し上がってみてくださいね!

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