阿部 美寿穂

阿部 美寿穂

イタリア特派員

更新日
2022年3月31日
公開日
2022年3月31日
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先日、ローマの海(オスティア)へ行って来ました。 穏やかなことが多いローマの海ですが、この日は荒れていました。午後4時頃の海の様子です。

↑風も強く、波しぶきも立っていました。空も暗くて不気味でした。

しかし、イタリア人は本当に海が好きです。

もう亡くなってしまいましたが、筆者の近所のお年寄り文化施設に集まるとあるお婆さん(82歳)は、ある日、ローマからカプリ島まで自分で車を運転して、日帰りで一人でカプリ島の海で遊んできたと話してくれました。ローマからカプリ島までは約270㎞あります。カプリ島の海がきれいで楽しくて、一日中泳いだり、街を散歩したりしていたといいます。肌はこんがりとキツネ色に焼けていました。

イタリアはお年寄りも泳いだり踊ったりと行動的で、本当に元気だなと思います。

筆者も彼らのように海が大好きで、いままでにアドリア海側からティレニア海側までいろいろ訪れてみました。一人で海水浴に出かけた時などは、同じく一人で来ているお婆さんと貸しビーチパラソルをシェアし、交代交代にお互いの貴重品を見張りながら海へ入ったり、一緒におしゃべりなどしたりして楽しんだものです。

水そのものに癒し効果があるので、髪の毛が逆立つくらい怒ったり興奮したりした時は、山より海の方が緊張感を上手にほぐして洗い流してくれるそうです。母の胎内にいた頃のことを覚えているのかもしれません。

↑防波堤のようなところがあり、人が立っているようにも見えます。

手に大きな竿のようなものも持っています。こんな荒れた海で、あんなところで釣りをしている人が!と思いましたが、近くに寄って見ましたら像でした。

こちらは、ローマ神話の海の神様のネプチューンの像です。ギリシア神話ではポセイドンにあたります。海の中で立っている像は、あの位置にいると一瞬、人かしら?とびっくりします。

イタリア人の場合、海はどちらかというと、泳いだり水遊びをしたりするというよりも、砂浜に寝そべってのんびりしたり、日焼けをしたりするのが目的なので、イタリア人の友達と海へ来ても日中はずっと本を読んでいたり、寝ているかしていて、帰る頃にやっとちょろりと海へ入ることが良くあります。特にヨーロッパ人は、太陽に対する強い憧れがあると思います。

みんな早く夏が来て、海で遊べるのを待ち遠しく思っています。

もう春です。梅雨のないローマは、5月に入ればもうそこには夏の扉が開いています!

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