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【フランス リヨン便り n°1】
はじめまして。リヨン在住20年のマダムユキです。これからリヨン情報をお届けいたします。よろしくお願いいたします。
ご存知のように、リヨンはフランス東南部に位置し、古代ローマ帝国の植民地として建設されてから2000年以上の歴史を誇る「フランスの古都」。スイスを源泉に北東から流れ込むローヌ川と、フランス東部を流れるソーヌ川がリヨンで合流し、リヨンはフランスでも豊かな自然と水に恵まれた町のひとつ。豊かな自然環境は山の幸、川の幸を生み、地産地消の地方料理は「食の都」と呼ばれるほど、美食家を魅了している。1998年12月、ソーヌ川沿いの旧市街(Vieux Lyon)からクロワ・ルース(Croix-Rousse)にかけて「歴史地区」と呼ばれる一帯が世界遺産に登録され、一躍リヨンの名が世界に広まった。当時、日本でそのニュースをきき、リヨンへの思いが募った記憶が蘇る。現在、毎年650万人の観光客がリヨンを訪れている。リヨンへのアクセスとして、空路ではリヨン・サンテクジュペリ空港、陸路ではTGV(高速列車)停車駅のパールデュー駅(Part Dieu)とペラッシュ駅(Perrache)がある。ソーヌ川とローヌ川に挟まれた「プレスキル(Presqu'île)」と呼ばれる中洲にあるペラッシュ駅は、リヨン市内を徒歩観光する出発地点として大変便利である。
本題に入る前置きが長くなってしまったが、このTGV停車駅であるペラッシュ駅の前にあるカルノ広場(Place Carnot)で、クリスマスマーケットが開かれる。
今年は例年になく11月に入ってからすぐれない天気が続き、1週間以上も太陽が顔を出さず、数日前には雪が舞うほどの冷え込み。リヨン人が口を揃えて「冬の到来」を告げていた。そんな11月23日の小雨の降る中、毎年恒例のクリスマスマーケットがオープンした。リヨンに暖炉を灯すかのような明るいニュースである。早速、厚手のコートを取り出して、クリスマスマーケットを歩いてみた。
クリスマスマーケットの発祥の地はドイツのドレスデンあるいはフランクフルトといわれている。ドイツ語で「クリストキンドルマルクト」、14世紀には既にクリスマスマーケットが存在してたというから歴史はかなり古い。フランスのクリスマスマーケットといえば、ドイツと国境を接するアルザス地方が有名。ストラスブールのクリスマスマーケットは1570年に始まり、フランス最古という。今ではクリスマスマーケットはフランスの各地で開催されるが、その魅力は地方色が反映されること。クリスマスを飾るグッズのみならず、地方の特産が店頭を飾る。
今年のリヨンは130の屋台がカルノ広場に並び、クリスマスの飾付や冬の防寒グッズ(帽子、手袋、ショールなど)、地元アーティストによるアクセサリーやアートなどのオブジェ、クリスマスの伝統菓子が目を惹く。クリスマスのプレゼントを求めて訪れる人も少なくない。冷えた身体を温めるホットワイン(vin chaud)とタルティフレット(ルブロションチーズで焼き上げたポテトグラタン)はリヨンならでは。スタンド前はいつも長蛇の行列ができるほどの人気もの。リヨン最大の伝統行事、広場や歴史的建造物が幻想的な光のアートで包まれる「光の祭典」とならび、クリスマスマーケットは年末の風物詩である。もちろん、忘れてはならないのは、クリスマスは子供たちとってプレゼントが届く魔法の日。クリスマスマーケットにクリスマスツリーとサンタクロースの存在は欠かせない。
【データ】
リヨンクリスマスマーケット(MARCHE DE NOEL DE LYON)
場所:カルノ広場(PLACE CARNOT)
期間:2019年11月23日~12月24日
時間:日曜日~木曜日:10時30分~20時、金曜日・土曜日:10時30分~22時
※12月24日は16時で終了します。