キーワードで検索
イギリスで、初の新型コロナウイルス感染者が発生したことを英国政府が発表したのは先月2020年1月31日。以降2020年2月6日に3人目が発表されてからも、私自身を含め世間はどこか他人事のような、とりわけ騒がれることなく普通の日々が過ぎていきました。
比較的平穏だった2月上旬
その直前だったせいか、今月2020年2月4日の時点ではロンドンの主要観光地であるバッキンガム宮殿、ピカデリーサーカス、トラファルガー広場といったエリアに異変はありませんでした。中華街に至ってはまだ春節の名残があり、通りは真っ赤な提灯で綺麗に飾られており、うれしそうに見上げ写真を撮る人たちの姿がありました。
トラファルガー広場でも、スペイン語やアメリカ英語といったさまざまな言語で説明するガイドさんたちの声がそちこちから聞こえ、皆観光を楽しんでいる様子でした。
私の日常生活においても、先週の前半時点では外国人のママ友たちに日本での様子をすすんで話していたのですが、潮目がガラリと変わったのが同じ週の後半。2020年2月11日にイギリスでの感染者が一気に8人に増え、14日には9人になったことでテレビやラジオといったメディアでの報道が一気に加速し、一日中コロナウイルス関連のニュースが流されるようになりました。(2020年2月19日現在9人のまま)
緊迫し始めた2月中旬
この日のラジオでは「患者はしっかり治療を受けているので、イギリス国内においてのコロナウイルス感染拡大のリスクは低い。よって、地下鉄など公共機関を利用することに何の懸念もありません」といった呼びかけを終日流していました。
ところが翌2020年2月15日には、1月31日に世界保健機関(WHO)が宣言した新型コロナウイルスに関する「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(Public Health Emergency of International Concern、PHEIC)」を基準に、リスクが「中程度」に上がっていました。(参照:英国保健介護省ホームページ)
懸念されるアジア系民族に向けての差別
この日の朝BBCニュースでは、小学校低学年と思われる在英中国人の子供たちの発言を流していました。子供たちは同級生から「伝染る」といわれたり、中国での様子について何かと質問攻めにあったりと、不快な体験をしているようでした。
実際、日本語フリーペーパー「週刊ジャーニー」の記者も、取材で訪れたレストランで嫌な想いをしたそうです。幸い私自身はクロイドン(関連記事)の飲食店やアジア人の多いスーパーで、そういった体験は今のところしていません。
2月19日現在ロンドンの様子
2020年2月19日に再びバッキンガム宮殿周辺に出向く機会があったので、写真を撮ってきました。電車内など、特に「閉じた空間」にアジア系の私が入っていくことへの反応が怖かったのですが、マスクさえつけていなければ取り立てて妙な反応はありませんでした。
私もこちらに来て知ったのですが、欧米では普段マスク姿の人を見かけることがありません。アジア圏では日頃からよく使われている、ということはこちらでも少しは知られているようですが、「よっぽど空気でも悪いのか?」と、心から不思議なようで欧米人にはとても理解できないようです。
今後イギリスの状況次第では変わってくるかもしれませんが、今しばらくは健康に問題がなければマスクは着用しない方が無難です。2020年2月に米ニューヨークで起きた、マスクをつけた中国人が暴行を受けた事件のように、余計な憶測と注目を集めないためにも、私はマスクを今のところつけていません。
今日のロンドン繁華街でも、マスク着用者はひとりもいませんでした。さすがに中国系の観光客は少ないようでしたが、当然ゼロではなく日本人もいました。けれど全体的にはやはり、通常よりアジア系の人たちは少なめだと思います。以上、イギリスにおけるコロナウイルス関連の経過報告と、最近のロンドンの様子をお伝えしました。