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COVID-19殺菌、消毒に精を出すNYの地下鉄【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

青山 沙羅

青山 沙羅

アメリカ・ニューヨーク特派員

更新日
2020年5月20日
公開日
2020年5月20日
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24時間走っていたニューヨークの地下鉄

ニューヨークシティの地下鉄は、眠らない町を代表するアイコン。24時間運行し、どこまで乗っても均一料金の地下鉄は、庶民にとってなくてはならない交通手段でした。

ところが、新型コロナウイルスの大流行で、地下鉄駅構内および車両内は、感染拡大の場として恐れられました。外出禁止令が発令され、利用はエッセンシャル・ワーカー(医療機関従事者や警察官、消防士、救急隊、スーパーマーケットの従業員関係など)の通勤用に限定され、乗車率は9割減になりました。未曾有の緊急事態により、誰も見たことがないニューヨークの光景が浮かび上がったのです。

毎日清掃されるニューヨークの地下鉄

終点駅で清掃される地下鉄 [Photos by Hideyuki Tatebayashi] Do not use images without permission.

ホームレスの住居代わり、乗客の食べ捨てのゴミ、線路を横切る子猫ほどの大きさのドブネズミ。ニューヨークの地下鉄は、正直本当に汚かったのです。そのため、ニューヨークでは汚れても気にならないスタイルが庶民の基本であり、黒という色が好まれました。

新型コロナウイルスの世界の震源地であるニューヨークは、心を入れ替え(?)、毎日午前1〜5時の間に運行を止め、地下鉄駅構内および車両内が清掃されるようになりました。地下鉄車両内で寝起きしていたホームレスは、車両から追い出されたのです。

COVID-19殺菌のため、消毒に精を出すニューヨークの地下鉄とバス

かつてないほど掃除された地下鉄車両および駅構内 [Photos by Hideyuki Tatebayashi] Do not use images without permission.

24時間運行していた地下鉄は、朝方は消毒のため運行を止めています。「この車両、掃除したことがあるのかしら」と誰もが思っていた地下鉄車両および駅構内は、徹底的に掃除されています。ただし、大雑把なアメリカ人のことですから、よく拭き取ってないのか掃除後は除菌剤で濡れており、床は滑りそうですし、座席に座ると服に除菌剤がつきそうです(苦笑)。

バスも同様に清掃されています。これから世界一清潔な地下鉄やバスになる日が来るでしょうか。

紫外線で新型コロナウイルスを殺菌 ニューヨークの地下鉄

ニューヨークの地下鉄・バスを運営するMTA(メトロポリタン・トランスポーテーション・ オーソリティ)の2020年5月19日プレスリリースでは、新型コロナウイルスを紫外線ランプで殺菌するシステムを発表。

紫外線消毒装置で殺菌予定の地下鉄車両 (C)Metropolitan Transportation Authority of the State of New York MTAプレスリリース

紫外線ランプによる殺菌は、ニューヨーク市の交通機関の地下鉄、バス、駅構内などに、来週以降(2020年5月25日以降)150台の小型の紫外線消毒装置を配備する予定。紫外線殺菌は、病院の手術室、緊急治療クリニック、大学、消防署などで、すでに殺菌の有効性が実証されています。

■参照記事

MTA Launches First Ever Pilot with UVC Proven to Kill COVID-19- 2020年5月19日 MTAプレスリリース

全米で152万8566名、アメリカは世界一の感染者数。

NY時間2020年5月20日午前 2:32:17 時点の、感染症研究のエキスパート米ジョンズ・ホプキンス大学Johns Hopkins Universityの公式ウェブサイトによると、世界の感染者数は490万356名。アメリカの新型コロナウイルス感染者数は152万8566名で、世界最多の感染国。アメリカはダントツの1位で、2位のロシアの約5.1倍の感染者数。3位ブラジル、4位英国、5位スペイン、6位イタリア、7位フランス、8位ドイツ、9位トルコ、10位イラン。アメリカ、ロシア、ブラジルがワースト3を占めています。ロシアは死亡数が少なく回復数が多いのに対し、英国は死亡数が多く回復数が少ない、逆のデータが出ています。

日本の感染者数は現在1万6367名、死亡者数は768名、回復者数は1万1564名となっています。日本はニューヨークのように、爆発的には増えていません。

【新型コロナウイルス感染国ワースト5】2020年5月20日

世界の感染者数 4,900,356名(死亡323,345名)(回復1,689,377名)

1.アメリカ 1,528,566名(死亡91,921名)(回復289,392名)

2.ロシア 299,941名(死亡2,837名)(回復76,130名)

3.ブラジル 271,885名(死亡17,983名)(回復106,794名)

4.英国 250,138名(死亡35,422名)(回復1,099名)

5.スペイン 232,037名(死亡27,778名)(回復150,376名)

日本 16,367名 (死亡 768名) (回復11,564名)

■参照記事

Johns Hopkins University. NY時間2020年5月20日午前 2:32:17 時点のデータによる

2020年5月19日現在 ニューヨーク州感染者数35万1371名

2020年5月19日付在ニューヨーク日本国総領事館の「総領事館からのお知らせ」メールによると、現在のニューヨーク州の感染者数は35万2845名。死亡者数は2万2843名。ニューヨークは世界の感染の震源地となり、アメリカは感染国ワーストワン(恐怖)。

ニューヨークシティで、感染者数が多い順番は、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、マンハッタン、スタテンアイランド。いずれも人口密集地であることから、感染者数が連日増加しています。私の住むクイーンズ区は、人種のるつぼニューヨークシティの中でも、特に多様な人種が集まるエリア。5万9000人を超え、感染率はNYCの中で約31%とトップ。しかもエルムハースト病院(Elmhurst Hospital,Queens,NYC)の医療現場の惨さが世界中に伝わっています。いわば、世界一の感染拡大地域で、私はまだ生き延びています(泣)。マンハッタン区の感染者数が少ないのは、お金持ちはすでに、セカンドハウスを持つほかの州や、他国へ移動済みだからです。( )内は前日の数。

クイーンズ区:59,508名( 59,324名)

ブルックリン区:52,681名( 52,485名)

ブロンクス区:43,270名( 43,158名)

マンハッタン区:25,293名( 25,216名)

スタテン島区:13,069名( 13,047名)

詳細につきましては、在ニューヨーク日本国総領事館の新型コロナウイルス関連情報で確認することができます。

5月19日現在、当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。( )内は前日の数

○ニューヨーク州:感染者数 352,845名(351,371名),死者数 22,843名(22,729名)

・感染者数内訳(主なエリア)

ニューヨーク市:感染者数 193,821名(193,230名),死者数 14,782名(14,725名)

NY市の内訳

クイーンズ区:59,508名( 59,324名)

ブルックリン区:52,681名( 52,485名)

ブロンクス区:43,270名( 43,158名)

マンハッタン区:25,293名( 25,216名)

スタテン島区:13,069名( 13,047名)

ナッソー郡:39,295名( 39,225名),死者数 2,541名(2,530名)

サフォーク郡:38,327名( 38,224名),死者数 1,822名(1,804名)

ウエストチェスター郡:32,402名( 32,224名),死者数 1,424名(1,419名)

ロックランド郡:12,798名( 12,777名),死者数 445名(442名)

○ニュージャージー州:感染者数 149,013名(148,039名),死者数 10,586名(10,435名)

○ペンシルベニア州:感染者数 63,666名( 63,056名),死者数 4,624名(4,505名)

○デラウェア州:感染者数 8,037名(7,869名),死者数 304名(297名)

○ウエストバージニア州:感染者数 1,509名(1,502名),死者数 68名(68名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:感染者数 14,522名(14,436名),死者数 1,160名(1,153名)

○プエルトリコ:感染者数 2,805名(2,710名),死者数 124名(124名)

○バージン諸島:感染者数 69名(69名),死者数 6名( 6名)

■ 在ニューヨーク日本国総領事館

299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

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