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先月より屋外で運動してよい時間が無制限になったり、今月からは学校が一部再開(関連記事)されたりするなど、イギリスでは新型コロナウイルスの影響で規制されていたさまざまな事項が徐々に緩和されてきています。
食材の買い出しのため大通りまで出てみると、ここ数ヵ月とんと見かけなかったバス停でバスを待つ乗客や往来する車、自転車、通行人など、明らかに交通量が増えています。イギリスの道路は意外とデコボコだったり、道幅が狭かったり路上駐車が多かったりします。交通法違反者への罰則など日本と似たような制度もありますが、コインパーキングの利用方法や交通マナーなど、イギリス独自のものも多いので、イギリスの道路交通事情についていくつかご紹介したいと思います。
路上駐車の仕方
イギリスでは大型商業施設以外に駐車場自体が少ないので、車を利用する場合、有料駐車場以外の路上に停める機会も多いです。その際、道路脇に黄色い線が2重に引かれている場所は日時を問わず駐車禁止です。1重の線は、指定時間内であれば無料で駐車可能です。
これ以外に、車体の幅分に四角く区分けされた白線もあり、条件によっては無料で停めることができます。近くに設置されている看板の記載内容をよく読み、駐車できる時間帯や条件(自治区から発行される許可証を持つ近隣の住人専用、など)に合えばオーケーです。
その一方で、同じ四角い白線でも駐車メーターで支払いをする有料パーキングになっていることもあります。その場合、近くのメーターでコインを入れてチケットを買い、発行されたレシートをダッシュボードに置く方法と、管理会社に電話をしてカード払いをする方法があります。無人なので油断して払い忘れたりすると、後にとんでもない罰金が科されたりします。
路駐で見通しの悪いイギリスの車道
このようにイギリスでは路駐自体が正式に認められているのですが、そのせいでドライバーも歩行者も、どちらにとっても非常に不便で危険です。駐車場を持たない住人が自治体から正式な許可を得て、自宅前の道路に常駐させているケースもあります。
そうなるともう、まさに公道パーキング状態で、つねに道幅が半分以下となり見通しが悪くてしようがありません。対向車が来た場合は必然的にどちらかがとおりすぎるまで待機しなければならず、効率の悪さが目についてしまいます。
イギリス式交通マナー
また、この状態以上にカルチャーショックだったことは、進行方向と逆向きにボン、と堂々と停めている場合です。日本人の感覚としては常識を疑ってしまうのですが、これがイギリスでは問題ないのです。はじめはその事実を知らず、逆向きに駐車していたトラックが発進しようとしているのを目にしても、進行方向に進んでいる私の方がとうぜん優先だろうと思い、自転車で通過しようとたことがあります。
すると、「なんでゆずらないんだ!!」とわざわざ窓まで開けてそのトラック運転手に叫ばれました。想定外のできごとでなにもいい返せませんでしたが、向こうの方が先に発進しようとしている場合は、たとえ逆向きの駐車からの発進でも「イギリス式の思いやり」で? 先に行かせてあげるべきだったようでした。
そもそも路駐が多い道路事情が元凶だとは思いますが、イギリスでは車を運転中、対向車線で待機してもらった場合は「手をあげてお礼の仕草をする」など独特の交通マナーがあります。
「ゼブラ・クロッシング」という、両脇にシマシマ柄のポールが立っている横断歩道では歩行者が絶対的優先で、ドライバーはいかなるときでも歩行者がいる場合、停止する必要があります。これは一転、イギリスの交通事情でとてもよい点、便利な点で、止まってもらった歩行者は運転手に手や親指をたてたサインで「お礼」をします。
日本でも高速道路などで道をゆずってもらい、ハザードランプで「お礼サイン」を出すことはありますが、一般道でイギリスのようにここまでひんぱんにサインを出す機会はそこまで多くありません。
このように海外では、日本の常識では思いいたらないシーンに遭遇することがありますが、郷に入っては郷に従えで、現地のしきたりにならった方が身のためです。これからもイギリスの交通ルールに従って、路上駐車をする場合は標識看板をよく読み、ひんぱんに見回っている取締官に違反キップ切られないよう、気をつけたいと思います。