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アイディアに万歳! タンザニア式修理例

西東 たまき

西東 たまき

タンザニア特派員

更新日
2020年6月12日
公開日
2020年6月12日
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(ダルエスサラーム、カリアコー地区の一角。

カリアコーは食品・生活雑貨から機械類…様々な分野の製品を扱う店舗が集まっている

地域です。電気製品・電子部品の店が密集した、まるで秋葉原のようなエリアも。)

新型コロナウイルスの広がりを抑えるための自粛生活の間、まとまった時間をDIYに割いた

方も多いのではないでしょうか。

制作にしろ修理にしろ、必要なパーツがすぐ手に入ればよいですが、品切れや取り寄せ、

あるいは、もはや製造していないといったケースもありますね。

本格的に部品を探すなら、ダルエスサラームであれば、行き先は「カリアコー/Kariakoo」地区。

シロウトには雑多なモノが無頓着に売られているようにしか見えませんが、行くべきところを

知っている人なら、どんなパーツも見事に見つけられるのは驚きです。

地元の修理人たちは新品から中古品、純正品からコピーまで、あらゆる分野のパーツをサイズ

もピッタリにきちんと調達してきます。

【修理業者どちらを選ぶ? 一般型・地元密着自営型】

さて、タンザニアの暮らしも長くなれば住居や車、手持ちのモノ・電化製品の修理が必要に

なってきます。

モノにもよりますが、修理に使われるパーツや修理方法は、店舗を構えているような業者か

地元密着型の自営業者かで異なる場合があります。前者だと私たちが妥当と考える一般的な

修理方法になりますが、後者はときに目からウロコのアイディアを提案してくれます。

地元密着型タイプの修理人によると、部品交換を行う際は新品のパーツがいいかと思いきや

中古品の方がおすすめというケースがあるのがタンザニアならではのおもしろいところ。

「コピ―かもしれない新品」より「中古でも純正品」の方が信頼できると考えられるから、

だそうです。

私が今回ご紹介するのは地元密着型。クリエイティブな修理事例をご紹介します!

●●●

【エピソード①】

例えば、わが家の洗濯機。

タンザニアでは縦型洗濯機も売ってはいるものの、主流はドラム式です。前面にある扉に

ついているゴムパッキンが劣化して穴が開き、洗濯中に水が漏れるという事象がわが家で

発生しました。こうした場合、日本の多くの人はパッキン全体の交換が必要だと思うこと

でしょう。

修理人に来てもらったところ、「新しいパッキンを購入して修理することはできますよ。

でも、おすすめは自転車のパンク修理を応用することです」とのアドバイスをくれました。

穴の大きさは指先程度。なるほど、タイヤのパンク修理の要領で対処してみるというのは

なかなかおもしろい発想です。コストも数十円程度で収まるし、十分試す価値があります。

結果、わが家の洗濯機はそれで寿命を延ばすことができました。

【エピソード②】

例えば、わが家のトイレ。

水洗トイレのパッキンの経年劣化で、便器に水が絶えずチョロチョロと流れ込むように

なっていました。水回りの部品を扱うマーケットに行けば必要なパーツは見つかります。

しかし、修理人の指示は「近所の雑貨店でビーチサンダルを買ってきて」というものでした。

彼は、受け取ったビーチサンダルのかかとにあたる部分をパッキンの大きさに合わせて

ハサミで切り取り、パッキンの代用として利用したのです。ビーチサンダルは、ガッチリ

として耐久性のありそうなパッキンとしてしっかり役目を果たしてくれました。

修理人は、わざわざ部品を買いに出かける手間と時間をかけることなく仕事を完了し、

私たちも長く待たされることなく解決してもらえたわけです。

これらはタンザニアに暮らす人の斬新な発想力、対応力に感心させられた出来事でした。

タンザニアでも、修理を依頼すれば本来のパーツで通常の処置を受けられます。

でも時に、こんなクリエイティブな提案をしてくれる修理人に出会うと発想転換のチャンス

になりますね。携帯電話やパソコン修理、データ修復など取扱い先も各所にあるので万が一

の際もご安心を!

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