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新型コロナウイルスと永遠の都”ローマ”

田澤 龍太郎

田澤 龍太郎

イタリア特派員

更新日
2020年6月30日
公開日
2020年6月30日
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新型コロナウイルスにより壊滅的な影響を受けた観光大国のイタリアもようやくここにきて、欧州外からの旅行客の受け入れが2020年7月1日より解禁される見込みです(2020年6月29日現在)。それも日本や韓国のように新型コロナウイルスの感染者が比較的落ち着いている国に限定されており、従来の自由な旅行とはまだほど遠い状況です。それでも国内の国内総生産(GDP)の約13%が観光業となっているこの国では、経済復興の足掛けとなるひとつのステップです。今日、再開させていただくローマ2特派員ブログでは、現在の永遠の都「ローマ」の状況をお届けします。

現在のローマの町では、欧州内からの観光客も少しずつ訪れてきていますが、これまでのにぎわいとはまた違う静けさも感じられます。人込みであふれたあのスペイン広場(伊語:Piazza di Spagna)も写真に収めるには独占できるほどの余裕があります。

また、ローマでもよく知られるブランド街のコンドッティ通り(伊語:Via dei Condotti)もやはり、かつてのような賑わいが見られません。それでもそれぞれのブランド店は、体温チェック、消毒液やマスク着用などでできる限り徹底した防染対策が実施されており、新型コロナウイルスと共生しながらも買い物自体は楽しむことはできます。

郵便局やスーパーなどでは入場できる人数の制限もあり、その際に並ぶときも人と人の間の距離を取るソーシャルディスタンス(伊語:Distanziamento sociale)が人々の間で浸透しており、この時世のなかでのできる限りの防染対策がなされています。

ローマの町を走る地下鉄やバスもやはり、マスクが義務化されており、地下鉄に関しては、入口や出口も制限されています。そして、車両内もそうなのですが、駅構内のベンチもソーシャルディスタンスを保つように案内がなされています(案内がある部分には座ってはいけないことになっています)。

公共バスも運転席側から乗車は不可になっており、運転席は透明なシートで防染対策が施されています。

しかしながらローマの町も暑くなってきており、マスク着用が義務化されているとしても地下鉄やバスなどの公共機関利用時やお店に入るとき以外は、周りに人がいないなどの影響がない範囲でマスクを少し外して空気を取り入れようとする人たちも多く見られます。

また、このローマを州都とするラツィオ州では、現在(2020年6月29日)の感染者数は、840人ほどに落ち着いてきており、1日の新規感染者数も1桁台になる日も多くみられるようになりました。最近は、小規模の集団感染が起きた日もあり、新規感染者数が2桁台になる日もありましたが、地域が限定されているため、封じ込められているという意味では比較的いい傾向となっています。まだまだ、ほかの一部の州でも見られるような新規感染者がゼロの日にはたどり着けていませんが、それぞれが意識しながらしっかり防染対策を取っていかなければなりません。

現在、最初に書かせていただきましたように欧州は日本からの観光客の受け入れを来月の7月から開始する予定ですが、日本はまだイタリアへは渡航中止勧告となっており、まだ欧州への旅行が解除されてないため、永遠の都を訪れる日はまだまだ時間がかかるかもしれませんが、近い未来にまた多くの観光客が訪れ、この町に活気が戻ってくることを祈るばかりです。

(追記:6月30日の時点の情報からまた新たな情報が更新され、イタリアの場合においてEU外からの訪問可能な国からの旅行客は、14日間の隔離が義務づけられると報道されています。情報は刻々変わりますので、最新の情報収集を確認されることをお勧めします)

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