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ローマ郊外にある世界でも最も美しいニンファの庭園

田澤 龍太郎

田澤 龍太郎

イタリア特派員

更新日
2020年7月20日
公開日
2020年7月20日
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今回、お届けするローマ2特派員記事は、イタリアのみに留まらず、世界でも最も美しい庭園のニンファの庭園(伊語:Giardino di Ninfa)です。このニンファの庭園は、自然環境の保護の観点から春から秋にかけて公開されており、年間を通して一般公開日が限定され、予約がとても取りにくい庭園でも知られています。現在は、新型コロナウイルス流行の影響もあり、世界中から訪れる観光客も少ないことからゆっくりとこの庭園を散策することができたので紹介したいと思います。

このニンファの庭園は、中世に存在していたニンファの町の上に、カエターニ家(伊語:Famiglia Caetani)によって1920年より造られたイギリス式庭園で今年2020年がちょうど100年目にあたります。今はなき中世の町、ニンファの町自体は城壁に囲まれ、7つの教会や250軒の家が存在していたことから現在も公園内で遺跡の一部を見かけることができます。

歴史あるこの美しくすばらしい庭園は、ローマから約60km先の南東に位置し、2000年にはラツィオ州の天然記念物に指定され、約1300種類の植物が庭園に広がるだけではなく、100種類の鳥類が確認されていることから生態系を保護すべく、やはり年間の入場者を制限しています。

イタリアが世界に誇るこのニンファの庭園は、8ha(東京ドーム約2個程度)ほどの広さを持ち、自然美を大事にしたイギリス式庭園らしくニンファ川、そのほかに小川や湧き水から成る美しい景観に出合うことができます。そして、日本でもなじみが深い桜やカエデ、モミジ、竹林だけではなく、冬でも温暖な気候という地域の特性を活かし、トロピカルフルーツのアボカドやバナナの木も見かけることもできます。

今の時世は、残念ながら新型コロナウイルスの流行中ということもあり、マスクを着用した訪問者や従業員や園内ガイドが見られ、この非日常的な空間を感じる余裕はあまりありませんでしたが、社会的距離(ソーシャルディスタンス)を置きながら、一時的にマスクを外してみると、植物や花たちから感じるほどよい香り、鳥たちのさえずり、川のせせらぎ、さらに心地よいそよ風とほんの一瞬でも都会の喧騒を忘れられる時間を強く感じることができます。

このようにローマ市内のみならず、ローマ郊外にもまだまだ心を落ち着かせてくれる美しい庭園がありますが、中世から残る遺跡、透き通った清らかな川とその自然が融合したニンファの庭園は、今まで訪れた庭園の中で断トツに感銘を受けるすばらしい庭園だと自信を持って推薦できます。旅好きな皆さんもいつの日かローマを訪れる機会があれば、ぜひともこの庭園に足を運んでいただきたいです。

■Giardino di Ninfa

・住所: Via Ninfina, 68, 04012 Cisterna di Latina LT

・入園料: €15(オンラインで事前予約が必要です)

・アクセス方法: ローマ・テルミニ駅よりイタリア鉄道のトレニイタリアにてラティーナ(伊語:Latina)駅下車後、タクシーにて約10分(料金の目安:片道で約€20)

(ローマのテルミニ駅からの所要時間は約1時間)

※現在は、新型コロナウイルス感染拡大防止のためタクシーは1台につき2名までしか乗車できません

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