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コロナ自粛中にも具合は悪くなる
非常事態でも人間の生活は続けられ、どこかが痛くなったり、病気になったりするものです。
ニューヨークでは感染防止のため医者へ直接行くなということで、2020年3月中旬以降、内科や歯科、小児科などほとんどの個人病院が閉鎖してしまいました。近所の医者すべてが閉鎖してしまい、空いているのは救急病院だけ。そのなかで、歯が痛くなったり、目にものもらいのようなトラブルがあり、困りました。死にそうな状況ではないですが、医者にかかる必要があります。自分の覚え書きとして、コロナ時の通院歴を時系列に記してみました。
●2020年4月末〈耳痛〉
自分の保険会社に電話して、開いている診療所を調べてもらいました。歯の噛み合わせが悪いせいか、耳が痛くて後頭部にも痛みが走るので、リスクが高い歯医者(口内を治療するため感染リスクが最も高く、最後まで開かなかった)は諦め、耳鼻科(耳を診る)を探してもらいました。耳鼻科ならマスクをすれば、まだ感染リスクが低いかと考えたのです。1時間以上調べてもらった挙句、開いている診療所を見つけてもらいました。根気強く探してくれた、あのときのオペレーターには感謝しています。探してもらったのは、徒歩圏で行ける内科の個人医院でした。結果、歯科治療が必要だけどいまは無理であり、ひどい状況ではないので、痛みを抑える薬を処方していただきました。ほぼすべての個人医院が閉鎖していたなか、診ていただいたことにたいへん感謝しています。好印象を持った診療所だったのであとで調べてみたら、HIVのプロフェッショナルでもあるようでした。
●2020年5月末〈目の感染〉
目がものもらいのように腫れてしまい、塗り薬を塗っても10日以上治らず、このときは自分で歩いて探しました。ニューヨーク市の経済再開第1段階を目の前に、少しずつ店も開き始め、毎日でなくても、週に数日開ける病院が出てきた時期でした。探した結果、眼鏡屋さんに付随して、眼科医が週に3回来るところを見つけました。白人の若い女性の医師で点眼薬を処方してもらいました。このときには、コロナのテストを受けていたので、「陰性」の結果をプリントアウトし、医師の恐怖心を取り除くために提出しました。患者よりも医師や受付スタッフが感染に怯えているようにみえましたので。
●2020年6月上旬〈歯科治療〉
耳痛の原因になっている虫歯治療がしたくて、以前通っていたマンハッタンの歯医者はコロナ収束前では遠いので諦め、地元の歯医者を探しました。カスタマーレビューがいい、営業しているところを運よく見つけ、電話で予約をとりました。まだ正式には病院が再開していない時期で、特に医師にとって感染リスクの高い歯科治療は再開が一番最後だったと思います。そのなかでオープンしていましたが、そのときは受付の方も出勤しておらず、受付まで先生がされていました(苦笑)。リスクの高い歯科医ゆえ、先生はフルガードの装いでした。現在も通っています。こちらでも、コロナ「陰性」結果のプリントを渡しました。
ニューヨーク 個人医院のコロナ対策 入口をガード
クイーンズ区 住宅街の眼科
●2020年6月上旬〈目の感染〉
単なるものもらいかと思いきや、点眼薬をさしても効果が出ないため、眼科の専門医を紹介していただきました。今度は中国人の女医さんでした。住宅街にある小さな個人医院は、中には予約時間ぴったりに1名しか入れないよう、入口が椅子でガードされています。こちらでも、受付にコロナ「陰性」結果のプリントを渡しました。暖かいうちはいいけど、寒くなったら外で立って待つのは嫌だなあと思いましたね。
医師のコロナ対策と患者としての対応
クイーンズ区 駅近くの歯科
私が受診した診療所でのコロナ対応をまとめてみました。
診療所のコロナ対策(ニューヨーク市クイーンズ区の場合)
●受付でコロナの症状がないか訊かれる。接触しないタイプのおでこで測る体温計(こんな感じ)で熱を測る。
●マスクなしには、来院不可。
●予約要(コロナ前もそうですが)
●スペースが小さいところは、治療時間まで外で待たせる。
●除菌剤で医療機器、患者が座った医療台や待合席の消毒。
●基本トイレはスタッフのみで、患者には使わせない。
患者としての対応は、もちろん各医院の方針に従います。
私の個人的な対応
●コロナテストの「陰性」結果(オンライン上で見られる)をプリントアウトして提示。
口頭で言うよりも証拠を出すことで、医師側が安心していました。コロナ収束まではどこに行くにも、直近の検査結果を持ち歩くのがいいのかなあと感じますね。
All Photos by Sara Aoyama