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吊り橋を渡って……
信楽の中心よりも少し外れたところに、弘法大師縁のお寺があります。
高野山真言宗のそのお寺は「玉桂寺(ぎょくけいじ)」と呼ばれ、その昔、保良宮(平城京から一時近江に都を移した)造営の際の天皇の仮御所として作られたのが起源という由緒あるお寺です(保良宮については跡地を含め諸説あります)。
玉桂寺には信楽高原鉄道の「玉桂寺前駅」で降りて行くのがおすすめ。
駅を降りるとすぐにある吊り橋を渡って向かいます。
吊り橋からは信楽らしい自然と鉄道の風景が望め、写真スポットとしてもいいですね。
信楽の弘法さん
朱塗りの橋が印象的な玉桂寺の総門を潜ると、
大きな杉の木が目の前に現れます。
一番手前の杉は根元はひとつですが、そこから二股に分かれた珍しい形。「子宝祈願股木杉」と言って、その昔子に恵まれなかった村の女性が、この杉の木を跨いだところ、子宝に恵まれたという言い伝えのある木です。
ふと、右手を見やるとひときわ目立つ場所があります。
水子供養のお地蔵様とその奥に立つ不動明王像です。この不動明王像は高さ13mもあり、なかなかの迫力がありますよ。
ほかではあまり見ないタイプの手水。
本堂へ向かう参道の真っ正面にあります。
その参道を進んだ先に、県の天然記念物に指定されている高野槙があります。
1200年前に弘法大師が植えたとされる高野槙は参道の石段両側にあり、その大きさと異様なほどの枝振りによって見る者に畏敬の念を感じさせます。
本堂には特に予約や、拝観料もなしで中に入ることができます。
御本尊である木造阿弥陀如来坐像などを間近に見ることができ、また地下にある神経痛除薬師如来などにも参拝することが可能です。
ほかにも高野山といえば弘法大師の三鈷の松(通常は2本の松葉であるのに3本になっている松)が有名ですが、この玉桂寺にもあります。
朝ドラで一時は観光客の増えた信楽ですが、コロナ禍のあとはすっかり人が少なくなっています。いまだからこそゆっくりと見て回るにはちょうどいいかもしれません。この日も境内には私ひとりだけ。ゆっくりと見学できました。
玉桂寺へのアクセス
【高野山真言宗 玉桂寺】
・住所: 滋賀県甲賀市信楽町 勅旨891
・電話: 0748-83-0716
・鉄道: 信楽高原鉄道「玉桂寺前」駅下車、徒歩5分
・車: 新名神高速、信楽ICより信楽方面約3km