キーワードで検索
イギリスのクロイドン中心街を歩いて南下していくと、サウス・クロイドン(South Croydon)という町にぶつかります。メイン通りにはイギリスお得意のパブや、インド、イタリア、スペイン、トルコ、モロッコ、タイなど、思いつく限りの国の飲食店がひととおり揃っています。
カフェはカフェでも中東風なクリスタル・ロック・カフェ
クロイドンは「ダイバーシティ(多様性)」を自負する多民族な町(関連記事)なだけあり、エスニック料理店が多いです。カフェひとつとっても少し変わっていて、クリスタル・ロック・カフェ(Crystal Rocks Cafe)というお店は単なるありふれたカフェではなく、メニューなどが中東風でユニークです。普通のカフェだと思って入ったので、「ん? なんか、店内のインテリアがアジア風?」とまず気づき、メニューを開けばシシカバブ?!と軽く驚きました。
厨房には中東出身らしきコックさんが腕を奮っています。BGMも明らかに西洋ではない選曲。出てきた料理も一見普通のバーガーとフライドポテトと見せかけて、ハンバーグとベーコンのほかに、さらにタンドリーチキンまでもが挟まれていました。ソースもサルサソースで、全然「普通じゃない」おいしさとボリュームでした。
食後にそれぞれドリンクを頼んだのですが、子供用のチョコレート・ミルクシェーキも、まったく侮れないおいしさ!
私はチャイラテを頼みましたが、出てくるのが一番遅いなと思ったらかなり本格的な、恐らく鍋でコトコト煮出したはずのすばらしいクオリティのものが登場しました。値段もリーズナブルで、看板バーガーのクリスタル・ロック・バーガーが£6.99、シシカバブセットがサラダとともに£5.99、チャイラテが£1.99とかなりのお安さです。
◼️Crystal Rocks Cafe・住所: 49A South End, Croydon, Surrey, CR9 1LT・最寄り駅: 電車South Croydon駅・営業時間: 平日7:00〜18:00、土 8:00〜18:00、日 9:00〜18:00・URL: http://www.crystalrockscafe.com//
宿泊所を改装したスーパー
お腹もいっぱいになり再びメイン通りをサウス・クロイドン駅に向かって少し歩くと、サウスエンド(South End)というエリアが広がる三叉路にぶつかります。そこにある小売大手スーパー、テスコ(関連記事)の小型店は、いかにも景観を大事にするヨーロッパらしく「Tesco Express」の看板がなければおよそスーパーには見えない、かわいらしくておしゃれな建物です。
外壁に「hotel」とあるのはこの建物がもともと、1900年代初期のパブを兼ねた宿泊所だった名残りだそうです。
個性あふれるカフェ街
このスーパーを起点に、小道には薬局や不動産屋さん、小さな雑貨店、花屋さんなどが立ち並ぶ商店街が駅まで続きます。なかでも目を引いたのが、チェーン店ではない個人経営のカフェ。狭くてこじんまりしたお店も多く、いかにもこだわりがありそうな特色あるカフェが集まり、まるでカフェ街のようです。
そして駅の手前にそびえるのが私のお気に入り、セント・ピーター(St Peter's)教会。イギリスに来て以来、名も知らぬ教会に数多く遭遇しましたが、クロイドン近辺では大通りに面していることが多いです。
この教会のように町なかにありながらも、少し奥まった場所の広い敷地内にそびえ立ち、厳かな雰囲気をかもし出しているものはあまり見かけません。大きいので遠くからでも目印になり、まさにサウス・クロイドンのシンボルです。
このようにサウス・クロイドンはにぎやかなレストラン街と個性あふれるカフェのほかに、神聖で落ち着ける静かな教会もあるギャップの多い町です。新型コロナ収束以降、南ロンドンを訪れる機会があればサウス・クロイドンまで足を延ばして、このギャップを体験してみてください。