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2020年9月下旬にサバ州の選挙から感染者が急増したことをうけ、10月14日から一部の州でいわゆるソフトロックダウンに相当する条件付き行動制限例(CMCO=Conditional Movement Control Order)が発令されました。
首都クアラルンプールでは2回の延長を経て、12月5日に今後についての発表が上級大臣からありました。
日本では考えられないかもしれませんが、マレーシアでは政府の公式アナウンスが各大臣のSNSから発信されたりします。
今回は上級相兼国防大臣のFacebook経由でアナウンスがありました。
概要からするとソフトロックダウンは続くけど、新型コロナに対するマレーシアの規則である標準運用手段(SOP)を遵守することで、規制を緩和するという措置となった印象です。実際にエリアごとの感染者状況に応じて細分化された措置を取ることとなりました。
工事現場でクラスターが発生したクアラルンプール、マレーシア最大のゴム手袋製造工場で大規模クラスターが発生したセランゴール州は引き続きソフトロックダウンとなります。ただし州の中でも感染者数の増減によって地域ごとにロックダウン段階が異なることに。
またペナン州では一部エリアがソフトロックダウンとなりますが、それ以外はレジャーや観光なども許可される経済再生の行動制限令(RMCO=Recovery Movement Control Order)へと移行します。
中でも一番驚いたのは州をまたぐ移動の禁止の解除でした。
12月7日から軍や警察などによって取り締りをしていた検問所や道路封鎖が解除され、自由に移動ができるようになります。
ソフトロックダウンになってからは一般の場合は警察署で申請した許可証が必要でしたが、買い物、旅行や帰省などには適用されませんでした。
連邦直轄領クアラルンプールはセランゴール州の真ん中に囲まれたエリアとなります。例えば高速道路の出口なども越境となってしまうことがあり不便でした。ただし強制閉鎖にあたる強制行動制限例(EMCO=Enhanced Movement Control Order)に指定されたエリアは立ち入り禁止となります。
マレーシア全土では新たな感染者が1000人以上出る状態が続いています。
そしてソフトロックダウン以降、感染者があまり減らなかったことやホリデーシーズンの到来で経済とのバランスをとるための措置で今回のような形になったのではないかと思います。
今回やや混乱したのは移動の制限がなくなったのですが、観光や娯楽が許可されたわけではありません。またソフトロックダウン以前の状況との違いがわかりにくいということです。
そしていよいよ熱帯のクリスマスがやってきます。昨年の今頃からは想像もつかない世界になってしまいましたが今年はどうなるのか、次回はSOPを遵守しながらお伝えできたらと思います。
(撮影by逗子マリナ)
※写真の無断転載禁止