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こんにちは、フナズシマルです。
滋賀の紅葉第三弾は、甲賀市信楽の奥、三重県・伊賀市との県境にほど近い場所にある「多羅尾代官陣屋跡」です。
明智光秀の謀反とされる本能寺の変のとき、堺にいた徳川家康の一行が危機を感じ宇治田原から甲賀、伊賀を越えて三河へ逃げ帰ったという「神君伊賀越」。
この多羅尾代官陣屋を任されていた多羅尾氏は、かつて14代光俊が伊賀越に際して家康を助けたことからこのあたりの所領を与えられたと言われています。
ここは昭和初期まで建物が残り、代官所として機能していたようです。
入口のところには、その当時の白黒写真を彩色したパネルが設置されています。
この多羅尾代官所跡は、私有地のため普段は立ち入り禁止になっていますが、春と秋に一般公開されています。
この秋は2020年11月30日までが公開期間です。なかなか貴重な場所ですね。
では写真で、多羅尾代官陣屋跡の紅葉の様子をご覧ください。
ほぼ人が足を踏み入れていない敷地は、落ち葉の赤い絨毯がびっしりと敷き詰められていました。
石垣もほぼ当時のままです。
古びた蔵がいい雰囲気を醸し出しています。
敷地内にはいまは使われていない建物や古井戸なども……
以前は水をたたえていたであろう庭園の池跡がありました。
いまは水の代わりに落ち葉が池を満たしています。
建物があった当時の写真パネル。
誰もいない、誰の足跡もない紅葉の絨毯をひとしきり歩く、贅沢な時間……。
ここに居ると紅葉によって人間の痕跡がタイムカプセルにように包みこまれ、そして自然へと還っていく。そんな営みの途中へと、足を踏み入れた感じがしました。
滋賀の紅葉は、実はこういった場所の方こそ滋賀らしいのです。
あまり人目にも触れず、歴史を包み込みながら静かに秋が経過していく場所……。
そんなすてきな場所の時間を、少し切り取って見ることができた今回の紅葉巡りでした。
近くには三国峠があり、伊賀方面を一望できる絶景もありますよ。
【多羅尾代官陣屋跡】
・住所: 甲賀市信楽町多良尾
・秋の一般公開: 2020年10月1日〜11月30日
※一般公開の日程はFacebookで最新情報を確認してください
・問い合わせ: 多羅尾地域市民センター 0748−85−0001