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琵琶湖から流れ出る大事な水路
こんにちは、フナズシマルです。
琵琶湖には460本もの河川が流れ込んでいますが、琵琶湖から流れ出るのはたった2本。
宇治川を経由し、やがて淀川へと注ぐ「瀬田川」、それに「琵琶湖疏水」です。
琵琶湖疏水は、明治維新後に首都が東京へ遷都ことで衰退した京都を復興するため、約5年近くの歳月をかけて山を貫き琵琶湖の水を京都市内へと導く巨大土木プロジェクトによって1890年に完成した水路です。
この琵琶湖疏水による水力発電や産業振興によって京都は現在のような活気を取り戻すことができました。
そして、いまもこの琵琶湖疏水は現役バリバリのインフラとして活躍しているのです。
しかし、先日その琵琶湖疏水の水が止まっているということを聞き、いったい何があったのか調査に行ってまいりました!
琵琶湖疏水に何があったのか?
京阪電車の石山坂本線「三井寺駅」にて下車すると、目の前に琵琶湖疏水が流れています。
疏水の取水口のところまで歩いてみました。琵琶湖の水はここから京都へと流れていきます。
琵琶湖側は何も問題なく、たっぷりの水が取水口の前に広がっています。
しかし、取水口の反対側を見ると……
すっかり水は枯れはて、底のブロックが露出してしまっています……。
「大津閘門(おおつこうもん)」まで来ました。
閘門とは疏水の水位を調整することで船の行き来ができるようにするための施設です。
やはり水はなくなっていますね。
ちなみに水があるときの大津閘門はこんな感じ。
写真提供:Biwako Visitors Bureau
閘門の先にある橋の上から見ると、
水のない水路がずっと続いていました。
写真提供:Biwako Visitors Bureau
普段は琵琶湖の水が絶え間なく流れ続ける疏水。
春には両岸に広がる桜並木と、2018年に復活した疏水船での遊覧を楽しむことができるはずですが……。
ところで、なぜ疏水の水が止まっているのか?
実は年に一度、渇水期となる冬に水路に溜まった土砂などを浚渫するためなんだとか。
なのでこの時期、京都から水路をブルドーザーが琵琶湖へ向けて掃除のために走ったりします。
ちょっと気になったので、後日京都側も見に行ってみました!
京都の水は大丈夫か?
京都市の蹴上に疏水の出口があります。
もちろんこちらも水はすっかりありませんでした。
琵琶湖疏水には第一と第二がありますが、今回見てきたのは第一疏水です。
第二疏水は水道水として利用されており、こちらは止まることなく流れていました。
琵琶湖疏水の水を止めることを「停水」と言うそうなのですが、この操作は滋賀県ではなく京都市が行っています。
琵琶湖疏水の停水については、京都市水道局のHPに詳細な説明がありますよ。
水のない疏水が見られるのは3月16日までとなります。散歩がてら見てみるのもいいですね。
【琵琶湖疏水・大津閘門】
・住所: 滋賀県大津市大門通
・アクセス: 京阪石山坂本線・三井寺駅下車 南西へ徒歩約5分