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特徴としては店舗の規模、陳列棚の配置、販売商品、営業時間といったそのほぼすべてが同じ出身国の同業他社、リドルと同じと言ってよいでしょう。あまりにも似ているので、ある日などリドルに行ったつもりをしていたのに、帰ってきて野菜に貼られていたアルディ印のシールを見て、ようやくその日はアルディに自分は行ってきたのか、と気づく有様です。ではいったい、何がどう違うのだろうか、と今回は徹底解析してみました。
基本は同じような品揃え
日本では「他社より1円でも高い場合はお申し出下さい。同額に致します」と謳った小売店も見かけますが、それと同じカラクリで、恐らくこれらの2社はお互いに探りを入れるのか、価格までまったく同じということに気づきました。(最大手テスコ(関連記事)では、あからさまに「アルディと同額」という旗を立てた陳列棚を見かけます)
私が普段買う物は毎回似たようなものなので、リドルとほぼ同じ商品をアルディでも買うのですが、ブランドはちゃんとそれぞれ独自の取引先があるのか、仕入れ先は異なります。
昨年来より引き続いている新型コロナの影響により、各社スーパーでは当初いくつかの商品が品薄状態に陥りましたが、保存が効き、ヴィーガンやベジタリアンも多くいるイギリスでは豆乳も一時期店頭から消えました。
なかでもアルディの豆乳は£.59で業界最安値(ということは、リドルでも同額)なので、普段から品切れが多いです。あまりにも安いので逆に不安を感じて成分表を確認したのですが、ドイツ系のものは豆の含有量が他社より多く、品質もむしろよりよいということが判明しました。
興味深いのが、同じ豆乳でも甘くない無調整(unsweetened)豆乳は普段から人気がなく、コロナで品薄状態の時でも売れ残っていました。
目を見張る安さ
日本では割高なパイ生地シートもイギリスでは安く購入できるのですが、アルディではこちらも他社よりさらに安く手に入ります。そしてなにより驚き、毎回呆気にとられてしまうのがイタリア料理に欠かせない、スパゲッティやトマトの缶詰です。どちらも£.3しないなんて!
PB(プライベート・ブランド)のスパゲッティは1袋30円ほどで、オリーブオイルも他社ですとそれなりに値段が張るにもかかわらず、アルディでは1リットル£2.89の安さです。そのせいもあり、先年初めて起きたロックダウン時には、スパゲッティとトマト缶は瞬時に棚から消え、全滅でした。ほかの商品の在庫が徐々に戻ってきても、唯一スパゲッティだけは完全復活するまでかなりの時間を要しました。
菓子類も特にクッキーの種類が多く、かつ半端なく安いのでついつい余計に買ってしまいます。ここ数年、日本でも「健康的」とずっとはやっている高カカオチョコレートも1枚(125g)£1.45とお得です。
以前カカオ95%というのを見つけ、珍しいので買ってみたのですが、苦すぎて私には無理でした。なんでも高カカオならいいってわけでもないんですね……私みたいな甘党にはやっぱりコレ!
これだけはリドルにも売っていない、私の中でアルディを代表するおいしくてお気に入りの商品、キャラメルチョコがのったショートブレッド。ショートブレッドが大好きなのですが、これはその上に濃厚なチョコだけでなく、キャラメルまでのったたまらない1品。このためだけでもアルディに来た甲斐があります。と思ったら、昨年の暮れ頃からなんと、リドルでもPB商品を始めており、手にしたときは驚きました。しっかり競合企業調査をしていますね。
手軽さが魅力の加工食品
イギリスにない物のひとつに、生のアサリやシジミといった貝類があります。代わりにムール貝ならよくあるので、来たばかりの頃に1度買ってみたことがあるのですが、下処理があんなにもたいへんだとはまったく知りませんでした。以来、貝類は剥き身の瓶詰めか冷凍品で我慢していたのですが、アルディにはすでに下処理済みどころか、白ワインやガーリックバターといった調味もされている優れものがあることにある日気づきました。
その後、ほかのスーパーにも売っていることを発見しましたが、どこもかなり割高。その点アルディでは£1.59と、圧倒的な安さです。
リドルの紹介記事でも書いていますが、以前はドイツ系と言えば必ず「皮の固いソーセージ」を購入していたのですが、日本のものと違いサイズが大きいのが難点です。バーベキュー以外の普段の調理では毎回カットする必要があり、プチストレスだなと横着にも思っていたのですが、代わりによいものを見つけました。それはこちらのミートボール。
これですと、フタをはがしてそのまま野菜と炒めたりポトフに入れたりできるので楽チン、かつ肉厚の食感がよく、ジューシーで味もバッチリです。小振りのハンバーグタイプのものもありますが、食事作りに便利で扱いやすいので私はミートボールタイプに軍配を上げます。なお、これらふたつの商品もやはりリドルで売られています。
ドイツ系スーパーゴリ推しの理由
ということは、アルディとリドルの違いはますますなくなり、今回想定していた「両社の比較調査」の結果としてはあまり芳しくありません。ただ、ひとつ言えることとしては、「消費者の満足度は著しく高い」という結論です。
ドイツ系のスーパーには、普段は高級スーパーのウエイトローズ(関連記事)がご用達のマダムも来ますし、スペイン人の奥様は、同じEU圏内であるスペインの食材が豊富に揃うことがお気に入りの理由だと言います。
アルディ、リドル両社とも、全般的に安い価格帯ということが大きな共通項目ですが、食品以外の商品に独自性がある点も同じです。どちらの店舗にも、食品以外にインテリア雑貨や衣料品、子供用品、DIY製品などが少々並べられているのですが、これがドイツ本国の製品であることが多く、イギリスでは希少価値があります。
食品においても、イギリス地場のスーパーでは見かけないEUの珍しい菓子、調味料類などがあります。両社とも商品の入れ替わりが激しいので、どちらにいつ行っても飽きることがありません。以上、イギリスのドイツ系スーパー比較でした。