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コロナ禍以前、家族でロンドンに「上京」する際は、ピカデリー・サーカスにあるウイスキー専門店「The Vintage House」に立ち寄り、スコッチ・ウイスキーを買い求めることがしばしばありました。
まだ日本にいた頃、私が知っていたウイスキーと言えば、よく見かける国産品、あるいはシーバス・リーガル、ジョニー・ウォーカーなどの海外製品で、それらはとうもろこしを主に原料とするグレーン・ウイスキーでした。
冷たい氷に、たくさんの水で割った「薄くて苦い、飲みにくいアルコール」というのが長年抱いていた印象でしたが、ちょうど日本を離れる頃にニッカの余市というブランドを知り、初めて大麦を原料とするモルト・ウイスキーの存在を知りました。
地場のシングル・モルトを豊富に取り揃える、ウィスキー専門店
単一蒸留所のモルト原酒のみを使ったウィスキーをシングル・モルトと言いますが、1940年代創業の老舗ウィスキー店 The Vintage Houseには、このシングル・モルトが豊富に並びます。
マッカランのような有名ブランドからウイスキーの聖地、アイラ島(スコットランド)のスモーキーな薫りが特徴のものまで、そのほかのタイプとあわせておよそ1300種類以上も取り扱っています。
初心者でも安心、親切な店員
そんなにも種類があると、逆になにを買えばいいのか迷ってしまうかもしれませんが、こちらの店員は気さくなので聞けば親身に対応してくれます。
「今日はスモーキーな感じで」、「重め(のテイスト)」、「軽め」、「どこどこの産地で」といったかなり曖昧、適当なリクエストをしてもきちんとおすすめ商品を選んでくれるので、ウイスキーのことはよくわからない、といった初心者でも安心です。
そこまで頻繁に通う常連でもないのに、ちゃんと憶えてくれていたのにも驚きでした。
会員制バー
建物の2階は、Soho Whisky Clubという会員制のバーになっています。アメリカ、イギリス、日本、台湾、オーストラリア、インドなど世界のウイスキーを常時600種類ほど取り揃えてあり、ワインやビールなどほかのお酒も注文できます。
おもしろいことに、こちらでは食べ物の持ち込みが可能で、飲み物さえ注文すればまるで自分の部屋のように居心地よく、自由に利用してよいそうです。非在住の旅行者でも、申し込み料£50と年会費£125を払って審査を通れば利用することができます(詳細はウェブサイトを確認してください)。
ウイスキー専門店ではありますが、出入口付近にはワインボトルやさまざまなリキュールなども多数並びます。天井までズラリと酒瓶が並んだ店内は、ところどころにウイスキー樽が置いてあったりと、独特の雰囲気をかもし出しています。
2021年4月5日現在、年明けから再び始まったロックダウンはいまだもって継続中で、小売店は生活必需品を扱うもの以外、営業停止となっていますが、The Vintage Houseは認可を受けた酒類販売店なので、営業中です(参照:Cabinet Office. "Guidance Closing certain businesses and venues in England" Gov.UK Jan 2021.)。
Soho Whisky Clubは飲食店なので現在休業中です。
ウイスキー好きの方はもちろん、ウイスキーはちょっと……という方でも、近くにはチャイナ・タウンもあるので、コロナが収束したらそのついでにこちらにも足を延ばしてみると、興味深いかもしれません。
◼️The Vintage House・住所: 42 Old Compton Street, London W1D 4LR・最寄駅: 地下鉄 Piccadilly Circus 駅、Leicester Square 駅・営業時間: 月~金 9:00~23:00、土 10:00~23:00、日 12:00~22:00・URL: https://www.vintagehouse.london/about