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緊急事態宣言が延長されましたね。
滋賀県では湖畔でのキャンプがこのところたいへんにぎわっておりまして、県外からの方々が多くいらしておりました。
しかしこのゴールデンウイークはそういった方々が琵琶湖の周辺に来られることを避けるため、昨年に続き公園の封鎖という事態になってしまいました。
コロナ禍においては数少ない娯楽となっているアウトドアですら自由にできないのは非常に悲しい事態です。
医療が逼迫している状況を考えるとお出かけすることもはばかられるのですが、宣言が出ていないお近くの方は節度を持ち対策を十分行いつつ、たまには外の空気を吸いに出かけるのも私は心身の健康を保つために必要なことだと思います。
さて、そんなゴールデンウイーク真っ只中の5月4日に毎年行われる近江の奇祭を見に行こうと出かけましたが、昨年同様に中止になってしまったようです。とはいいつつ天気もよかったので、そんなお祭りのある集落へと行ってきました。
その集落とは、東近江市の伊庭という地域です。
琵琶湖には以前大小たくさんの内湖(琵琶湖の外側に生じた池や沼など)がありました。
そのなかでも最大であったのが大中の湖。その面積は諏訪湖の2倍。
昭和の初め頃から大規模な干拓が実施され、残ったのが伊庭内湖といわれるエリアになります。
かつて伊庭の集落はその内湖に港を持つ漁村でした。
集落内には水路が張り巡らされ、
田舟を使って内湖と行き来したり、荷物を運んだりする文化がありました。
いまでもその歴史を感じる集落となっているのがこの伊庭の水郷なのです。
その伊庭の水辺景観は日本遺産「琵琶湖とその水辺景観 ー祈りと暮らしの水遺産ー」の構成文化財となっています。
この伊庭で800年もの長きに渡り続けられている奇祭が「伊庭の坂下し祭」となります。
伊庭集落の氏神様となっている大濱神社がこの祭りの中心。
ここに収めれている神輿を、約2km先にある繖山(432.9m)の繖峰三神社まで引き上げるところから始まります。
ちなみに繖山は織田信長の安土城とは峰続きになっている山です。
そして祭りの当日は神輿三基を山の上から約500mも引きずり下ろしてくるのです。
写真提供:びわこビジターズビューロー
この写真のように垂直に近い壁のような崖を重さが400~500kgもの神輿を下ろしてくるのですから、まさに命懸けの祭りです。
過去には実際に命を落とされた方や大怪我をされた方もいるとか……。
今年こそはその勇壮な祭りを見てみたいと思ったのですが、その夢は叶いませんでした。
来年こそはワクチンもいきわたって祭りもできるようになっていることを願います。
伊庭内湖には「能登川カヌーランド」という施設があって、レンタルカヌーや水車資料館などがありますよ。
こちらは現在も営業しておりますので、家族でのんびりするのにちょうどよいところですよ。
■能登川水車(のとがわすいしゃ)とカヌーランド
・住所: 滋賀県東近江市伊庭町1269番地
・電話: 0748-42-3000
・営業: 9:00~16:00
・定休: 毎週月曜日、祝日の翌日、年末年始
伊庭の水郷は観光地ではありません。地域の皆さんが生活しておられる場所です。
水郷について知りたい場合は地元でガイドをされていますので、そちらに連絡を入れていただくことをおすすめします。
■伊庭の水辺景観
・住所: 東近江市伊庭町2015(伊庭町自治会館事務所)
・電話: 0748-42-0362
・営業: 伊庭町自治会事務所 月・水・金 9:00~15:00/火・木・土 9:00~12:00
・定休: 日曜・祝日
湖辺の郷伊庭景観保存会
◆コース 大濱神社→正厳寺橋と田舟→鯉ゾーン→妙楽寺と門内4ヶ寺→金毘羅神社と湊跡→謹節館(伊庭城址)
・時間: 約120分コースと約90分コース
・料金など: 景観保存協力金として一人300円
・申込: 湖辺の郷伊庭景観保存会(伊庭町自治会館事務所)
・tel・fax: 0748-42-0362
・メール: ibajitikai[at-mark]e-omi.ne.jp