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ワクチン接種で毎週10人がニューヨークの大学の全額奨学金をもらえる
2021年5月23日 セントラルパーク ベセスダの噴水 [Photo by Hideyuki Tatebayashi] Do not use images without permission.
アメリカでは、国民のワクチン接種率を上げるため、各州で報奨金の提供など、あの手この手でワクチン接種をさせようと気を引いています。
2021年5月26日 クオモ・ニューヨーク州知事は、「あなたの将来を創るために注射を打とう(Get A Shot to Make Your Future)」と題したワクチン接種の奨励策を発表。現在対象年齢を下げた12歳から17歳の学生を奨励する取り組みで、NY州立大(SUNY)またはNY市立大(CUNY)の奨学金をニューヨーク州が全額負担するもの。
ワクチン接種を受けた12歳から17歳に対して、無作為に5週間続けて毎週10名、合計50名に全額奨学金(フル・スカラーシップ)が提供されます。
下宿代、食費、教科書代、交通費も無料
抽選で選ばれる当選者は、授業料全額が免除されるのみならず、下宿代や食費、教科書・書籍代、交通費など大学生活にかかる費用すべて全額支給。2021年6月2日には、すでに10名が全額奨学金に当選しています。コロナ禍によりリモートクラスが続き、テンションが下がった学生たちに朗報ですね。ニューヨークでは、新学期の9月からは公立学校も全て対面授業になる(リモートクラスなし)と発表されており、学習の遅れや友人と会えないなどで、学校離れした学生たちの気持ちが引き戻せるかもしれません。また、アメリカの学費は高いので、親にとってもありがたいプログラムだと思います。
「あなたの将来を創るために注射を打とう(Get A Shot to Make Your Future)」で獲得できるもの
●NY州立大(SUNY)またはNY市立大(CUNY)の全額奨学金(授業料免除)
●下宿代
●食費
●教科書・書籍代
●交通費
●事務用品
など
クオモ知事は、陽性患者の多くを占め、接種率が最も低い若者たちの接種参加を呼びかけています。
Governor Cuomo Announces First Round Winners of 'Get A Shot to Make Your Future' Vaccine Incentive – NY State Gov JUNE 2, 2021
アメリカでは、宝くじを導入する州も
ワクチン接種率を上げようと躍起になっているのは、ニューヨークに限りません。各州で国民の気を引こうとしているのですが、コロラド州やオハイオ州など米6州で接種を促進するための宝くじが行われています。
オハイオ州では、「100万ドルの賞金」と「17歳以下には大学の奨学金」の奨励策で、ワクチン接種率が45%上昇、16~17歳の接種率は94%急増したそうです。早々とワクチンを済ませてしまった筆者を含む住民はなんだか損をしたような気持ちに……
100万ドル当選 ワクチン宝くじで接種率急増 VIDEO | FCI
ニューヨーク 2021年6月2日現在ワクチンの接種率
あの手この手でワクチン接種に躍起になっているニューヨークですが、ニューヨーカーのワクチン接種率はどうでしょうか。
2021年6月2日現在のデータでは、NYCを含むニューヨーク州全体で18歳以上のワクチン完全接種率は57.3%、905万5624名(1回目のみ済ませた人も含めると65.5%、1千35万3640名)。ニューヨーク州全体で「18歳以上の完全接種率」は57.3%と順調ですが、12歳以上の完全接種率を含めると46.1%でまだ半分以下です。アメリカの接種目標率は70%以上で、7月4日の独立記念日までには、フルオープン(完全再開)にしたいとしています。