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皆さん、こんにちは!
コロナ禍が長く続き、海外旅行もままならない今、ローマ(イタリア)の日常についてもっとこちらのブログで紹介して欲しいというリクエストがございましたので、今日はイタリアの日常生活について少し書いてみたいと思います。
個人的な(?)毎日の日常生活、地元の風景、旅行ヒントなどに関しては、筆者のTwitter(@RomaMizuho)でもご覧いただくことができます。フォロワー数が一定数おりますため、すべての方へのご返信がなかなかできない状況にありますが、何かお困りのことがありましたらご遠慮なくコメントを下さい。
↑ ローマのスペイン階段です。サツキが美しい日でした。イタリアを訪れる観光客さんもまだまだ少ないです。
さて、それでは最近の日常の様子についての話題を取り上げたいと思います。
筆者の家の前に住む家族に、2歳半の女の子がいます。
まだ言葉は少ししか話せない状況で、自我も出てくる年齢ということもあり、自分の意志が通らなかったり、または逆に嬉しいことがあると金切り声をあげます。オペラ歌手になれそうなくらいのかなりの声量があります。
ある日の午前中に家にいると、近所のイタリア人のおじさんが、「昼も夜もキーキー鷲みたいにうるさい!いい加減にしろ!」と怒鳴り込む声が聞こえました。
かなり怒っている様子でしたので、筆者も家の中でじっとしていたところ、10秒後くらいに、おじさんの怒鳴り声を聞きつけた同じく近所の人たちがわらっと外に出てきました。
すると、近所の方々は、
「子供がうるさいのは当たり前!」
「お宅も、小さい頃はそうだったのかもしれませんぜ。誰も自分の子供の頃のことは覚えていない」
「言葉を話せるようになるまでおじさん、もうちょっとの辛抱ですよ。そんなことで怒らない怒らない」
「ご自分の仰っていることに対して、恥ずかしくないんですか!」 などと応戦しています。
↑ 近所のバールのマリトッツオ。ふわふわの生クリームがかわいい食べ物です。マリトッツオはローマが発祥の地です。朝ごはんやおやつとしてもいただきます。
参考記事:2014年5月10日号 私の周りで今はやっているスイーツ。生クリームこんもりマリトッツオ!https://tokuhain.arukikata.co.jp/rome/2014/05/post_217.html
イタリアの人は、おかしいと思ったら躊躇せず、はっきりとものをいう国民性です。
議論をしているようでしたので、筆者も窓から顔を出して様子を見てみました。
すると、そのうちのひとりが突然こちらを向いて「あなたもうるさいですか?」と聞きますので、「キーキーという声が聞こえると、ああ今日もあの子は生きてる生きてる!と思って嬉しくなります。お年寄りだけの町より、子供の声がしてちょっと賑やかな方が町が生きてるみたいで楽しいのではと思っています!」と答えておきました。
その後、怒鳴り込んだおじさんも少し納得したようで帰って行きました。
それから半月後くらいのお話です。
怒鳴り込んだおじさんは、みんなに怒られ面子を潰された面もあったかと思いますが、そこは根本が明るく大らかなイタリアのおじさんです。うじうじと根に持たず、頭の切り替えも早く、今ではお母さんがこの小さな女の子とゴミを捨てていたり、ベビーカーで重い買い物袋を持って歩いていると、積極的に手を貸して手伝ってくれたりするようになったそうです。
おじさんも、怒鳴り込まれたお母さんも、近所の人も、それぞれが意見をいい合い、みんながストレスが溜まらない方法で解決となりました。さまざまな人々が共同で暮らす社会は、お互いに気持ち良くいい合えるような環境作りと、他人への思いやり、そして少しの寛容な心が、快適に過ごすことに大切なのかもしれないと思いました。
さっぱりと大らかで、慈悲の心が強いイタリアの人たちには、何年暮らしてもハッと気づかされ、感動する場面があります。