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日本の年末年始のような位置づけで、人との社交的な集まりや帰省が急増するクリスマスの時期、「今年はやっと通常のクリスマスを迎えられる」と、前向きな明るい雰囲気が漂い、つい先月までは政府も「これ以上コロナ規制を強める要素が見つからない(出典:Mayes, Joe. "Britons Told to Plan for a Christmas With No Virus Restrictions", Bloomberg, November 2021.)」と、お墨つきまで出していたイギリス、その直後2021年11月27日に新型コロナウイルスのオミクロン変異株が国内で確認されて以来、急に雲行きが変わりました。
2021年7月19日にロックダウンが解除されると同時に、コロナ規制の大半も解除されましたが、11月30日からはこの変異株の発見を受け、公共交通機関や店舗内でのマスク着用が再び義務づけられました。
今後の対策について交錯する意見、政府の見解
そこで市民が気になるのは、クリスマスの予定について。ジャヴィド英保健相はこれについて、「ブースター接種(免疫強化のための3回目のワクチン接種)が普及してきているので、パーティのようなイベントを中止する必要はない(出典:Becky Morton & Doug Faulkner, "Covid: No need to cancel Christmas party plans – Javid"BBC News December 2021.)」と明言しています。
それに対して安全保障庁(UKHSA)のハリス長官は、「向こう数ヵ月間は不必要な社交は避けるのが無難」などと警告しています。現在専門家たちはオミクロン株の深刻度、重症化症例などについて検証中ですが、ハリス博士の一連の発言についてジョンソン首相は「政府の見解に基づいたものではない」と即座にはねつけ、首相官邸の記者会見でも、広報官が「彼女は政府へ助言をするが、政府の大臣ではない。国民は政府によるガイダンスと今後の首相声明に従うべきだ(出典:Ferguson, Emily. "Omicron variant: All the mixed messaging on Covid Christmas guidance from Boris Johnson's top team"iNews December 2021.)」と述べました。
国内外の移動については、観光目的も含め現在のところ禁止されていませんが、海外からのイギリス入国については、日本同様PCR検査や自己隔離期間などの詳細を、よく確認する必要があります。また、イギリス国内でもスコットランド、ウェールズ、北アイルランド、アイルランドおよびチャンネル諸島については、ガイダンスが異なるので、滞在先の地域ルール順守が必要です。
「今年のクリスマスは前回のクリスマスよりかなりよいものになるはずだと、かなり自信がある、もしくは確信している」とも言うジョンソン首相は再度、予定されている企業や私的なクリスマス・パーティや、学校行事などのさまざまなイベントは、予定どおり遂行されるべきだと強調しました(iNewsの同サイト記事参照)。
実際、わが子が通う学校でも、危うくキャンセルかと思われた毎年恒例のキリスト降誕劇やキャロルの合唱、クラス内パーティといった行事が、半屋外で換気をよくして予定どおり行われることになりました。
ロンドン市内、現在の町の様子
そんななか、今日は用事ついでに近所のプチ中華街(関連記事)ではなく、ロンドンの本家中華街に立ち寄ってきました。
以前紹介したウイスキー専門店(関連記事)もしっかり営業中です。
食事をした「風味食堂 (Real Beijing Restaurant)」店内は、クリスマス仕様。
まだオミクロン規制がそこまで厳しく発動されていないのもあり、ピカデリー・サーカスのイルミネーションと人手もコロナ禍前と同様のにぎわいです。
帰りのバス車内では若者たちがクリスマス・ソングを歌い始め、始めは小声だったのが次第に盛り上がり、最後は大合唱となっていました。
今後12月中旬にそのオミクロン株への対策など、政府による新たなガイダンスが発表される予定です。あまり深刻化しないことを願っていますが、規制が強化されてしまった場合でも、生活情報やオミクロン前の旅行記など、引き続きイギリス現地の様子をお届けしたいと思います。