デザート・ワゴンが魅力の、イギリス老舗スペイン料理店「エル・ニド」

ドイツ系スーパーのリドル（関連記事）やチャリティ・ショップ巡りでよく行くワーリントン （Wallington）に、駅近で便利な老舗スペイン料理店「エル・ニド（El Nido）」 があります。

親子2代でやっている家族経営で、こぢんまりとしたアットホームな雰囲気が落ち着きます。店に入ると陽気なお母さんがコートを預かってくれ、まるでお宅に招かれたかのよう。

コスパよしのコースメニュー

実直そうなお父さんの案内でメニューを開くと、コースのセットメニューが£21からと、ディナーにしてはリーズナブル。前菜は本日のスープ、メインはスペイン風コロッケを頼みました。ほかに「そんなに食べきれないでしょ」と言われてしまいましたが、お店のウリであるシーフードパエリアをどうしてもトライしたく、こちらも注文。

キッズメニューなどはありませんが、相談すると特別にアレンジして出してくれました。

未知なるオリーブの味

つけ合わせにパンとオリーブが出てくるのですが、オリーブ嫌いの私は普段食べないので今回も食べないつもりをしていました。ところが、しょっぱくないと言うので半信半疑で口にしてみると……な、なんだコレは！ むしろほのかに甘くてこれまで食べたことのない味！ オリーブをこんなにもたくさん食べたのは初めてで、のっけから好スタートです。

パプリカとトマトが入ったようなポタージュスープは濃厚で、スープ好きの私も満足のおいしさ。コロッケはミートボールくらいの小さいサイズのものがバルサミコとトリュフのタルタルソースとともに。期待のパエリアは、伝統料理が得意の老舗店らしく、巨大なエビがででーんと乗った豪華版で期待を裏切りません。

リピーターを惹きつけて止まないデザート

デザートもウリだと言われているだけあり、ワゴンに載せられた数種類のケーキやプリン、ムースには目移りします。これを目当てに足繁く通う常連さんもいるようです。ボリュームもタップリで、きっちりコースを締め括ってくれます。

今回、誕生日プレートをお願いしていたのですが、お店の息子さんがスペイン語でバースデーソングを歌いながら、スペイン語で書かれたメッセージつきのプチケーキを運んできてくれました！ まさかこんな、スペイン語バージョンの誕生日祝いをしてもらえるとは思ってもおらず、うれしいサプライズでした。

コロナに振り回される飲食業界

コロナ前にはしていたランチをお休みするなど、まだまだ本調子ではなさそうですが、今年2021年は5月より営業を再開し、ウェブサイトもリニューアルしてパワーアップしています。客足も上々で、今後はクリスマスに向けて忙しくなるとの話を聞き、自分ごとのようにうれしくなりました。

と、せっかくこんな話をしていたのに、今度はまたまたオミクロンという新株が出現。ことごとく水が刺されますが、いまのところはまだ政府からの新たな規制発表はなく、レストラン内でのマスク着用は不要など、以前とあまり変わりがないので、なんとかこのまま平穏なクリスマスを迎えてほしいものです。

とは言ってもBBCニュースなど、イギリスの報道機関によりますと、先月2021年11月末に国内で初めてオミクロン変異株が発見されて以降、実際にクリスマスのパーティー予約がキャンセルされたパブやレストランは多いようです。

現在イングランドは、マスク着用の義務化や在宅勤務の推奨といったルールが再び始動される「プランB」に入ったところで、マスクは昨日の12月10日より、在宅勤務推奨は週明けの13日、ナイトクラブなど人が大勢集まる場へ携帯するコロナ・パスポートは15日から適用されます（参照：Finnis, Alex. "What is Plan B? New Covid restrictions explained and when the rules start in England" iNews December 2021.）。

エル・ニドも、この影響を受けてしまうことはおおいにあり、実際すでに受けている可能性の方が高いかもしれませんが、またしばらくしたら来年にでも、心のこもった温かいサービスを受けに、再度足を運びたいです。

◼️El Nido Restaurant・住所: 79 Manor Road. SM6 0DE Wallington, Surrey・アクセス： 電車Wallington駅より徒歩2分・営業時間: 月～土 18:00～21:30、日曜定休日・URL： http://elnidowallington.com/