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最先端のものが集まり、絶えず変化を続ける大都市、東京。
きらびやかなイメージとは対象的に、歴史の面影が色濃く残る場所や庶民的で風情の感じられる穴場スポットも数多く存在します。そんな東京の多様な顔をこれから特派員として紹介していきたいと思います。
今回のテーマは、寺の町「池上」。
観光気分をしっかり味わうことができますが、都心からほど近いのに人は多すぎず、まさに穴場。ぜひ休日のお出かけ候補に入れてみてください。
池上の最寄り駅は、東急池上線「池上駅」。
東急池上線は、3両編成の列車が蒲田~五反田間をコトコト走る短い路線。素朴な姿に愛着のわくローカル線です。
池上はそんな路線の代表的スポット。町の玄関口となる池上駅は、かつては昭和の雰囲気のただよう駅でしたが、木を基調としたやさしい雰囲気のモダンな駅舎に生まれ変わりました。旧池上駅舎の木材を再利用しているそうで、一層ぬくもりを感じます。
2021年に開業したばかりの駅ビルも駅と同じく桜と和のイメージで統一されており、改札階にある通路はまるで本物の仲見世のよう。門前町・池上にふさわしい雰囲気で、これから始まる散策への期待に胸が膨らむ空間になっています。
池上の代表的スポットといえば、池上本門寺。
仏教の宗派・日蓮宗のお寺で、日蓮聖人が入滅された地として有名です。
高台に位置する本門寺は存在感があり、まさしく町の中心的存在。ふもとに広がる門前町の雰囲気は、小さいながらも京都や鎌倉のような有名な寺町を彷彿とさせます。
正面の総門をくぐり、96段の此経難持坂(しぎょうなんじざか)を登りきると、都心とは思えない広大な境内が視界に飛び込んできます。空襲で焼失してしまった建物もあるそうですが、五重塔をはじめ、江戸時代から四半世紀以上残る建造物もあり、歴史散策を楽しめます。
春には境内の梅や桜が見事に咲き誇り、花見の名所としても有名です。
なお、階段を登るのが難しい方は、すぐ近くの池上会館に行けば、エレベーターを使ってお寺の境内に行くことができます。ぜひ活用してください。
■池上本門寺
・住所: 東京都大田区池上1丁目1−1
・URL: https://www.honmonji.jp/
本門寺の中心から見て南側、五重塔の方面に「池上会館展望台」があります。
先ほど紹介したエレベーターのある会館のことですが、屋上に小さな庭園と展望デッキがついていて、池上やその近郊にある蒲田、川崎、横浜の町を見渡すことができます。天気がよければ富士山やランドマークタワーも見ることができますよ。私が訪れた日も遠くにうっすらと富士山を見ることができました!
池上会館は大田区の公共施設のため、出入り自体は無料です。
屋上庭園からはそのまま池上本門寺の境内へアクセスすることができるので、本門寺散策の行き帰りに気軽に立ち寄ってみるのもおすすめです。
■池上会館
・住所: 東京都大田区池上1丁目32−8
池上に訪れたらぜひ食べておきたいのは、「くず(久寿)餅」。
奈良で有名な葛餅とは材料や製法が異なるそうで、この「くず餅」は池上が発祥とされています。
参道には老舗がいくつか並んでいるので、駅まで戻る道すがら喫茶でひと休みしながら堪能してみてはいかがでしょうか。持ち帰り用のおみやげも売られているので、帰宅後に池上散策の思い出に浸るのもいいですね。店によってくず餅にも個性があるので、食べ比べをしてみるのも楽しいかもしれません。
池上には、ほかにも和菓子から洋菓子にいたるまで、おいしいおみやげの買える店が揃っています。
おいしいおみやげ探しも楽しみながら、最後まで余すところなく散策を楽しんでください。