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2007年に創業した同店は、ヨークシャー州の精肉店からスコットランド産、アバディーン・アンガス種の牛肉を仕入れ、品質には確かな自信を持っています。英国「バイロン式」にアレンジしたハンバーガーの数々は、そのジューシーさがウリで、各地に広がる店舗数、来店客数をとっても、すっかりイギリスに根づいたようです。今回はロンドン市内にあるうちの、1店舗に行ってきた様子をお伝えします。
活気ある店内
その日は外まで列ができるほどにぎわっていた同店、待ち時間を気にしましたが、意外と回転が速そうで、スタッフも機敏に動いていることから、訪れてみることにしました。
各グループに同席人数を聞いたあと、待ち時間が発生する場合は「○分お待ちください」と案内し、パズルのようにあっという間に客を各テーブルへ案内していきます。それも、聞いていると待つ時間は3分や1分など、どれも5分以内ばかり。具体的に数字化されて、短い時間であれば穏やかな気持ちで待つことができます。
席に案内してくれた際も、こんなに目まぐるしく動き回っているのに、歓迎の挨拶やメニューの説明などはしっかりこなします。忙しくて客の呼びかけになかなか応じられない時は「1分待ってください。必ず参りますから」といったん席まで来てくれるていねいな対応。イギリスでは店員をよびつけることがあまり良しとされないようで、店員に気づいてもらうまで何分も、ひたすら静かに待っていたりします。ですので、こんな日本っぽいきめ細やかな接客はめずらしいのではないでしょうか。
知日派の秀逸な店員
こんなに覇気がみなぎり、キビキビ動き回っている店員はイギリスではあまり見たことがなかったので清々しく思っていると、私たちが席につくなり「日本人ですか?」とズバリ聞いてきました。
ほかの国でもそうですが、海外にいると中国人に間違われることが多く、ここイギリスでも同じ状況なので、こんなにもピンポイントで当ててくるとは、いったい何者? と、ますます気になりました。
すると、やはりこの敏腕スタッフはかなりの日本好きなようで、コロナ前は毎年のように日本に遊びに行っていたそうです。そこで自然と、日本風のサービスを取り入れたのかもしれません。こんなところまで海を越えて、日本のおもてなし文化が伝わっていたようで、感慨深かったです。
繁盛店なのも納得の味
サービスだけではありません。味もしっかり満足できるレベルで、頼んだクラシックバーガーやダブルベーコン・チーズバーガーは、よくある"一見豪華でも肉がカチカチ"パターンとは異なり、小ぶりながらも挟まれているハンバーグは、ふっくらジューシーです。
また、これまたイギリスではありがちな、味がなくて単調ということもなく、最後まで飽きずに食べきれる、ちょうどいいサイズでもあります。
ドリンクにもこだわっていて、店の名前を冠したバイロンラガーや、スタッフおすすめのクラフトビールは特徴のあるフルーティーな味わいで、ハンバーガーと合います。
子供にはクレヨンと塗り絵が配られ、その裏にキッズメニューが書かれています。ミニバーガー(といっても十分立派)にポテト、ドリンクがつきます。
ロンドンだけでなく、店舗はイギリス全土に広がるので、コロナ収束後のイギリス旅行では、「より大きく、よりよく、より分厚く(Bigger, better, bolder)」をモットーに掲げるバイロンのハンバーガーを見かける機会が多いかもしれません。その際は、ぜひお試しあれ。
◼️バイロン(Byron Burgers)