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リヨンで行列ができるイタリアンは美味しいだけではない、ワンダーランドだ!

マダムユキ

マダムユキ

フランス特派員

更新日
2022年4月14日
公開日
2022年4月14日
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【フランス リヨン便り n°68】

こんにちは、マダムユキです。フランスのリヨンからお届けしています。

先日、以前ブログで紹介させていただいた、マダムレイから電話をもらいました。仕事バリバリ派のマダムレイですが、ちあきなおみを彷彿とさせる声の持ち主なんです。そんなマダムレイとこんな会話を交わしました。

マダムレイ:もしもし、元気なの?

マダムユキ:まあ、いきなり誰かと思ったら

マダムレイ:すっかりご無沙汰ね

マダムユキ:ごめん、ごめん

マダムレイ:私に、ではなくて、ブログのことよ

マダムユキ:あっ、フォローしてくれてるんだ

マダムレイ:フォローしてないわよ、投稿がないんだから

マダムユキ:……

マダムレイ:コロナの次がウクライナ危機で、旅行業はたいへんよね~

マダムユキ:……

マダムレイ:だから、最初の話に戻るけど、元気なの?

マダムユキ:……

マダムレイ:やっぱりね~

マダムユキ:……

マダムレイ:ワンダーランドでエネルギーを充電しない?

マダムユキ:ヤッホー!

ということで、数日後に、私たちはワンダーランドで待ち合わせしました。

▼マダムレイと待ち合わせた「ワンダーランド」

「えっ、ワンダーランドって、テーマパークのことじゃないの?」という声が聞こえそうですが、違います。

プレスキル(リヨンを流れるローヌ川とソーヌ川にはさまれた中州)のコルドリエ地区にあるお店です。とてもかわいい店構えでしょう。

ウインドーにネオンで描かれた文字は「Carmelo Cinema Club」(カルメロ・シネマ・クラブ)。

「いったい、なんのお店だろう」と、思わず覗きたくなりますよね。

では、実際に覗いてみると、こんな感じです。

▼入り口のドアから覗いた店内

壁の棚に並んでいるのは、カラフルなキャンディです。それもすごい数です。

「昔風の駄菓子屋さんかな?」というのが第一印象です。

では、店内に入ってみましょうか。

マダムレイが名付けた「キャンディの間」を横に抜けると……。

▼60年代のシネマ喫茶?

キャンディストアの次は、シネマ喫茶が登場しました。

壁一面にモノクロ写真がぺたぺたと貼られています。映画ファンならすぐに気がつくのでは。イタリア映画のワンシーンの写真です。

フェデリコ・フェリーニ、ルキノ・ヴィスコンティ、ロベルト・ロッセリーニ、ミケランジェロ・アントニオーニなど、イタリア映画の巨匠たちにオマージュを捧げています。

それにしても、天井からぶら下がるボール電球といい、4人がけのボックス席といい、1枚板のカウンター席といい、60年代のシネマ喫茶のスモーキーな雰囲気が漂っています。

今は店内の喫煙は禁じられていますが、当時は煙が立ち込めていたことでしょう。

そんな昔に思いを馳せるマダムユキでした。

▼壁一面に貼られたモノクロ写真

マダムレイはこの空間を「写真の間」と呼んでいます。

店内はまだまだ奥へと続きます。「写真の間」を通り抜けると……。

▼隠れ家のようなワインレストラン?

キャンディ、モノクロ写真に続いて登場するのがワインです。顔を近づけてよくよく見ると、どうやらイタリアワインのようです。未開封のイタリアワインがなんと4000本ほど陳列しています。ワイン愛好家にはたまらない演出です。

「イタリアワインを生ハムと楽しみたい~」とつぶやくマダムユキ、「はやく進みなさい」と背中を押すマダムレイ。

▼壁一面に陳列されたワイン

マダムレイはこの空間を「ボトルの間」と呼んでいます。

さらに奥へと進むと……。

▼壁一面に絵皿

「これは凄い」という声が聞こえてきそうです。壁一面を覆う絵皿たち。5000枚以上はあるとのことです。

天井もご覧ください。地震のない町だからできることです。

▼天井を覆う絵皿たち

奥に目を向けると厨房が見えました。オープンキッチンになっています。

明るくカジュアルな雰囲気です。

▼開放感を与えるオープンキッチン

マダムレイはこの空間を「皿の間」と呼んでいます。さらに進むと……。

「えっ、まだあるの?」

「はい、まだ続きます」

▼イギリスのティーサロン?

イギリス邸宅のリビングに招かれたような、メルヘンチックな雰囲気ではありませんか。

今回、私たちはお店の最も奥にある席に案内されました。

「ワンダーランド」はマダムレイが名付けた呼び名で、本当の店名は「カルメロ(Carmelo)」といいます。

ビッグマンマグループ(Big Manmma Group)が経営するイタリアンレストランです。

ビッグマンマグループは、パリ、リール、ボルドー、ロンドン、マドリッドにチェーン店を展開し、リヨン店は2020年2月にオープンしました(オープンして1か月後、フランスはロックダウンに入り、2021年の6月まで飲食店の店内営業が禁止されました)。

立地条件は抜群で、リヨンの中心街コルドリエ地区のヌーヴ通りに面し、斜め前にはポール・ボキューズのブラッスリー「ル・ノール(Le Nord)」があります。

写真でご覧いただいたように、お店の入り口は小さいのですが、中に入ると、なんと800平方メートルという驚きの広さで、260人ほど収容できます。

オープン当時から(そして、ロックダウンが解除され、飲食店の営業が再開されてから)、リヨンで行列ができるイタリアンとして知られています。ディナーは1か月以上前から予約しないとすぐに満席になります。ランチは回転がはやいので比較的予約がとりやすく、運がよければ予約なしでも入れるときがありますが、予約を入れたほうが無難です。

人気の理由は、

1.場所がよい(リヨンの中心コルドリエ地区)

2.店内の雰囲気がよい(ごちゃごちゃしているのになぜか落ち着く不思議な空間)

3.陽気なスタッフ(全員イタリア人でイタリア語が飛び交っています)

4.美味しい(実はこれが一番の理由です)

ピザやスパゲティは本場イタリアの味。

人気メニューは黒トリュフクリームソースのパスタ。

ベジタリアンメニューも充実していて、マダムレイは「野菜の串焼き」を注文しました。

マダムユキは、「メニューにのっていない隠れ料理があるよ」というスタッフの誘いにひかれて、本日の隠れ料理「鴨コンフィのラザニア」を注文しました。

デザートは、二人で声をそろえて、自家製「ティラミス」!

▼野菜の串焼きとイタリアンビール

▼鴨コンフィのラザニア

▼自家製ティラミス

大皿で運ばれてくるティラミスを小皿に取り分けてくれます。

「少し多めにね」ってウインクしたら、ご覧のとおり!

▼かわいい絵柄のお皿とマグカップ

マダムユキ:ありがとう

マダムレイ:なにが?

マダムユキ:気を遣ってくれて

マダムレイ:だれに?

マダムユキ:……

マダムレイ:ワンダーランドに乾杯

マダムユキ:ちあきなおみに乾杯

マダムレイ:???

マダムユキ:カラオケで「喝采」を歌ってほしいな

マダムレイ:年がバレルよ

美味しく楽しいワンダーランド、リヨンのイタリアン「カルメロ」にグラッツェミーレ!

皆様も、長引くコロナ禍で心身の疲労が蓄積されていますので、美味しいものを身体に入れて、息抜きをしてくださいね。

マダムユキ

【お店情報】

CARMELO(カルメロ)

・住所 : 7 rue Neuve – 69001 Lyon France

・営業時間 :月曜日~金曜日 11:45 – 15:15、18:45-22:45、土曜日 12:00-15:15、18:45-23:00、日曜日 12:00-15:15、18:45-22:45

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