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【フランス リヨン便り n°68】
こんにちは、マダムユキです。フランスのリヨンからお届けしています。
先日、以前ブログで紹介させていただいた、マダムレイから電話をもらいました。仕事バリバリ派のマダムレイですが、ちあきなおみを彷彿とさせる声の持ち主なんです。そんなマダムレイとこんな会話を交わしました。
マダムレイ:もしもし、元気なの?
マダムユキ:まあ、いきなり誰かと思ったら
マダムレイ:すっかりご無沙汰ね
マダムユキ:ごめん、ごめん
マダムレイ:私に、ではなくて、ブログのことよ
マダムユキ:あっ、フォローしてくれてるんだ
マダムレイ:フォローしてないわよ、投稿がないんだから
マダムユキ:……
マダムレイ:コロナの次がウクライナ危機で、旅行業はたいへんよね~
マダムユキ:……
マダムレイ:だから、最初の話に戻るけど、元気なの?
マダムユキ:……
マダムレイ:やっぱりね~
マダムユキ:……
マダムレイ:ワンダーランドでエネルギーを充電しない?
マダムユキ:ヤッホー!
ということで、数日後に、私たちはワンダーランドで待ち合わせしました。
▼マダムレイと待ち合わせた「ワンダーランド」
「えっ、ワンダーランドって、テーマパークのことじゃないの?」という声が聞こえそうですが、違います。
プレスキル(リヨンを流れるローヌ川とソーヌ川にはさまれた中州)のコルドリエ地区にあるお店です。とてもかわいい店構えでしょう。
ウインドーにネオンで描かれた文字は「Carmelo Cinema Club」(カルメロ・シネマ・クラブ)。
「いったい、なんのお店だろう」と、思わず覗きたくなりますよね。
では、実際に覗いてみると、こんな感じです。
▼入り口のドアから覗いた店内
壁の棚に並んでいるのは、カラフルなキャンディです。それもすごい数です。
「昔風の駄菓子屋さんかな?」というのが第一印象です。
では、店内に入ってみましょうか。
マダムレイが名付けた「キャンディの間」を横に抜けると……。
▼60年代のシネマ喫茶?
キャンディストアの次は、シネマ喫茶が登場しました。
壁一面にモノクロ写真がぺたぺたと貼られています。映画ファンならすぐに気がつくのでは。イタリア映画のワンシーンの写真です。
フェデリコ・フェリーニ、ルキノ・ヴィスコンティ、ロベルト・ロッセリーニ、ミケランジェロ・アントニオーニなど、イタリア映画の巨匠たちにオマージュを捧げています。
それにしても、天井からぶら下がるボール電球といい、4人がけのボックス席といい、1枚板のカウンター席といい、60年代のシネマ喫茶のスモーキーな雰囲気が漂っています。
今は店内の喫煙は禁じられていますが、当時は煙が立ち込めていたことでしょう。
そんな昔に思いを馳せるマダムユキでした。
▼壁一面に貼られたモノクロ写真
マダムレイはこの空間を「写真の間」と呼んでいます。
店内はまだまだ奥へと続きます。「写真の間」を通り抜けると……。
▼隠れ家のようなワインレストラン?
キャンディ、モノクロ写真に続いて登場するのがワインです。顔を近づけてよくよく見ると、どうやらイタリアワインのようです。未開封のイタリアワインがなんと4000本ほど陳列しています。ワイン愛好家にはたまらない演出です。
「イタリアワインを生ハムと楽しみたい~」とつぶやくマダムユキ、「はやく進みなさい」と背中を押すマダムレイ。
▼壁一面に陳列されたワイン
マダムレイはこの空間を「ボトルの間」と呼んでいます。
さらに奥へと進むと……。
▼壁一面に絵皿
「これは凄い」という声が聞こえてきそうです。壁一面を覆う絵皿たち。5000枚以上はあるとのことです。
天井もご覧ください。地震のない町だからできることです。
▼天井を覆う絵皿たち
奥に目を向けると厨房が見えました。オープンキッチンになっています。
明るくカジュアルな雰囲気です。
▼開放感を与えるオープンキッチン
マダムレイはこの空間を「皿の間」と呼んでいます。さらに進むと……。
「えっ、まだあるの?」
「はい、まだ続きます」
▼イギリスのティーサロン?
イギリス邸宅のリビングに招かれたような、メルヘンチックな雰囲気ではありませんか。
今回、私たちはお店の最も奥にある席に案内されました。
「ワンダーランド」はマダムレイが名付けた呼び名で、本当の店名は「カルメロ(Carmelo)」といいます。
ビッグマンマグループ(Big Manmma Group)が経営するイタリアンレストランです。
ビッグマンマグループは、パリ、リール、ボルドー、ロンドン、マドリッドにチェーン店を展開し、リヨン店は2020年2月にオープンしました(オープンして1か月後、フランスはロックダウンに入り、2021年の6月まで飲食店の店内営業が禁止されました)。
立地条件は抜群で、リヨンの中心街コルドリエ地区のヌーヴ通りに面し、斜め前にはポール・ボキューズのブラッスリー「ル・ノール(Le Nord)」があります。
写真でご覧いただいたように、お店の入り口は小さいのですが、中に入ると、なんと800平方メートルという驚きの広さで、260人ほど収容できます。
オープン当時から(そして、ロックダウンが解除され、飲食店の営業が再開されてから)、リヨンで行列ができるイタリアンとして知られています。ディナーは1か月以上前から予約しないとすぐに満席になります。ランチは回転がはやいので比較的予約がとりやすく、運がよければ予約なしでも入れるときがありますが、予約を入れたほうが無難です。
人気の理由は、
1.場所がよい(リヨンの中心コルドリエ地区)
2.店内の雰囲気がよい(ごちゃごちゃしているのになぜか落ち着く不思議な空間)
3.陽気なスタッフ(全員イタリア人でイタリア語が飛び交っています)
4.美味しい(実はこれが一番の理由です)
ピザやスパゲティは本場イタリアの味。
人気メニューは黒トリュフクリームソースのパスタ。
ベジタリアンメニューも充実していて、マダムレイは「野菜の串焼き」を注文しました。
マダムユキは、「メニューにのっていない隠れ料理があるよ」というスタッフの誘いにひかれて、本日の隠れ料理「鴨コンフィのラザニア」を注文しました。
デザートは、二人で声をそろえて、自家製「ティラミス」!
▼野菜の串焼きとイタリアンビール
▼鴨コンフィのラザニア
▼自家製ティラミス
大皿で運ばれてくるティラミスを小皿に取り分けてくれます。
「少し多めにね」ってウインクしたら、ご覧のとおり!
▼かわいい絵柄のお皿とマグカップ
マダムユキ:ありがとう
マダムレイ:なにが?
マダムユキ:気を遣ってくれて
マダムレイ:だれに?
マダムユキ:……
マダムレイ:ワンダーランドに乾杯
マダムユキ:ちあきなおみに乾杯
マダムレイ:???
マダムユキ:カラオケで「喝采」を歌ってほしいな
マダムレイ:年がバレルよ
美味しく楽しいワンダーランド、リヨンのイタリアン「カルメロ」にグラッツェミーレ!
皆様も、長引くコロナ禍で心身の疲労が蓄積されていますので、美味しいものを身体に入れて、息抜きをしてくださいね。
マダムユキ
【お店情報】
CARMELO(カルメロ)
・住所 : 7 rue Neuve – 69001 Lyon France
・営業時間 :月曜日~金曜日 11:45 – 15:15、18:45-22:45、土曜日 12:00-15:15、18:45-23:00、日曜日 12:00-15:15、18:45-22:45