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主要観光地に歩いて行ける「ロンドン・ヴィクトリア駅」

パーリーメイ

パーリーメイ

イギリス特派員

更新日
2022年8月15日
公開日
2022年8月15日
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地下鉄が走っていないロンドン近郊の住人にとって、

乗り換えで都心部につながる在来線のターミナル駅はとても重要な存在です。

わが家でも通勤、ショッピング、レジャーなどで都心部に出る場合、

ロンドン・ブリッジやロンドン・ヴィクトリア駅までまずは出ることが多いです。

「ナショナル・レール」は国鉄にあらず

ロンドン最大の鉄道ターミナルのひとつ、ヴィクトリア駅には地下鉄とイングランド南部を結ぶ在来線のほかに、ロンドン第2の規模を持つ国際空港ガトウィックに向かう直通特急列車「ガトウィック・エクスプレス」と市バスのターミナルもあります。

通称"チューブ"とよばれるロンドンの地下鉄表記はUndergroundですが、在来線はナショナル・レールといいます。

"国鉄"のように聞こえますが、1993年の鉄道法により旅客列車運行は民間企業にフランチャイズ化され、20数社の民間会社が運行を継承しました。1997年の民営化完了後は、各社とも「ナショナル・レール」の統一ブランド名を使っています。なお、国鉄のブランドロゴ「ダブル・アロー」は、現在も変わらず同じものが採用されています。(参照:"History of British Rail"rail.co.uk, 2017.)

イギリスの渋谷?!

個人的には、ロンドン・ブリッジ駅が西側にビジネス街の連なる東京の新宿駅のようなイメージである一方、ヴィクトリア駅はショッピングなど繁華街が広がる渋谷駅といったイメージです。

正確にいえば、"イギリスの渋谷"とも例えられる繁華街はピカデリー・サーカス駅なので、ヴィクトリア駅周辺は"渋谷方面エリア"が妥当かと思います。あるいは関東近郊都市と東京を繋ぐ、上野駅とも例えられています。

手頃で充実した駅ナカ店舗

高い天井と広い敷地で開放感がある駅構内は、大きく3つの区間に分けられています。正面入り口から進んで手前の駅舎がドーバーやケント州各地へ向かうホーム、ガトウィック・エクスプレス乗り場があり、広場のように四角く開けチケット売り場や公衆トイレ、ベンチなどがある中央エリア、そしてさらに奥にあるのがブライトンなど南方面への列車が出ている駅舎です。

ロンドン・ブリッジやフランスやベルギーなど、イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶ高速鉄道「ユーロスター」が出ているセント・パンクラス駅には、どちらかというと高級ブランドが並びますが、ヴィクトリア駅にある駅ナカ店舗は「クリスピー・クリーム・ドーナツ」や「わさび」といった日本食チェーンなどのカジュアルな飲食店からキオスクの「WHSmith」、お土産にぴったりのチョコレート店「Hotel Chocolat.」など、手頃な値段で満足できるショップが充実しています。高級スーパー「M&S」の小型店も2ヵ所あり、便利です。

さらに、ガトウィック・エクスプレス発着ホーム右側のエスカレーターを上がると、「ヴィクトリア・プレイス」というショッピングモールがあります。下層にはドラッグストアの「Boots」や日本にも出店している人気の「Lola's cupcakes」、ヘアアクセサリーの「claire's」といった商店があり、中級スーパーの「Sainsbury's」も入っています。上階にはフードコート形式のファーストフード店が並ぶので、注文方法にも迷わず小腹を満たすことができます。

周辺の観光地

ヴィクトリア駅はその名が示すとおり、ヴィクトリア女王の在位中に落成したことにちなんでいます。バッキンガム宮殿の最寄り駅であることにも納得です。宮殿までは正面出口を出て、左手にあるバッキンガムパレス・ロードを右に曲がり、道なりに8分ほど進めば到着できるので、比較的わかりやすいです。

宮殿横のグリーン・パーク公園(関連記事)を通り抜ければ反対側はすぐに日本大使館、左に向かえば8つある王立公園のひとつである、巨大な都市型公園ハイド・パーク、右に歩けばロンドン随一の繁華街ピカデリー・サーカスや中華街があります。

ヴィクトリア駅を挟んで宮殿とは逆のエリアには、世界の名だたるブランド店や高級住宅街が広がるスローン・スクエア、テムズ川を渡ってさまざまな催し物が開かれるバタシー・パーク(関連記事)、駅正面出口を右に行けば美術館のテート・ブリテンなどがあるピムリコまで歩けます。

また、イギリス最大の長距離バスターミナル「ヴィクトリア・コーチ・ステーション」へは、上で紹介したヴィクトリア・プレイスのモール内を通り抜け、信号を渡ったところにあります。

地下鉄入り口近くにある観光案内所 (Visitor Centre) では無料の市内地図やバスマップをもらえ、建物の外ではスーツと革靴、頭には案内板と同じデザインの帽子をのせ、全身を黒に身を包んだ案内人が親切に声をかけてくれます。

このようにどこへ行くにも便利なヴィクトリア駅、イギリス旅行中にお世話になる可能性、大ですね。

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