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京友禅を支えた近江草津の地獄花。青い力で蘇る伝統のコバルトブルー

フナズシマル

フナズシマル

滋賀特派員

更新日
2022年8月30日
公開日
2022年8月30日
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草津市の花「青花」

こんにちは、フナズシマルです。

7月に続き今回も地元草津市をレポートします。

さて皆さん、「青花」という花をごぞんじですか?

草津市の市花であり、毎年7月頃から8月下旬にかけてコバルトブルーの小さな花を咲かせるツユクサの変種です。

青花は友禅染の下絵用絵の具として古くから利用されており、全国でも草津市でのみ栽培されてきました。

例にもれずこういった伝統産業は需要の変化や技術の進歩の中で活用場面が減っていき、かつてはたくさんあった栽培農家も今ではわずか数軒に…。

そんな中、20代という若さで「青花」の農家として活動されている方が、青花摘み体験をされているということで自転車に乗ってお話を聞きにいってきました。

青花の畑

青花の栽培をされているのはNPO法人「青花製彩」の峯松さん。

畑はメロン街道沿いにあり、草津あおばな館(草津にある農産物の直売所:草津市下笠町)にほど近い場所。

大きな鉄塔が目印です。

青花はアサガオと同じく涼しい朝の内だけ花を咲かせ、昼頃には萎んでしまいます。

この日も8時に畑にお邪魔しました。きれいなコバルトブルーのかわいい花があちこちに咲いています。

2ヵ所の畑のうち、奥の畑で若い3人の男性が黙々と青花摘みの真っ最中!

NPO法人・青花製彩の皆さんです。

花びらを積んでは腰につけた袋に入れておられました。その袋の中はきれいな青色の花びらでいっぱい!

さっそく峯松さんに青花の積み方をお聞きし、私もチャレンジしてみました。

青花の摘み方

まずは2本の指で花びらを外側の根本からはさみ…、

つまむようにしてそおーっと手前に引っ張ります。

この時に黄色い花粉のついたオシベを一緒に袋に入れると、あとで染料化するときに青ではなくグリーンになってしまうとのこと。

また根本を引っ張りすぎて「がく」の部分が混ざってもNG。しっかりと花びらだけを収穫するのだそうです。

最初はいろいろ不要なものが混ざったり、花びらが途中でちぎれたりしますが、慣れると簡単ですよ。

こんな風にとっても鮮やかな青色でいっぱいになります。

ちなみにこの摘み取り体験、100gを400円で買い取ってくれるんだとか。

この夏も子供たちのお仕事体験としても大人気だった様子です。

花びらを指で擦ってみると、青い液体になって流れていきます。薄い花びらにこれだけの水分があることがちょっと不思議ですね。

地獄花と呼ばれたことも

この青花、7月〜8月といった夏の暑い盛りに収穫を続けることになります。

朝早くとはいえ、8時にもなれば気温もぐんぐんと上昇。汗だくでの作業となることは容易に想像できます。

さらには、青花の主な加工方法である「青花紙」(友禅の下絵用の絵の具として紙に青花の色を定着させて流通させていた)は、なんと和紙に80回も塗り重ねて作るんだとか…。炎天下の作業にプラスして、大変手間のかかる加工作業ということもあり、かつては"地獄花"とよばれることもあったそうです。

伝統を守ること、新たな時代へ引き継ぐこと

そんな地獄的な作業を必要とする青花も、現在の技術によって新しい方法なども発見され、再び青花の魅力を蘇らせようという活動が行われています。

フリーズドライ技術によってパウダー化に成功し、その成果によって青花紙の塗り込み作業が1回で作成可能となりました。(ただし伝統産業としての技術伝承を考えて、この技術は青花紙製造には用いないそうです)

それだけでなく、天然素材の青花パウダーは食品への添加も可能に。ソフトクリームやクッキーなどにも展開されています。

また、レジン加工しても色が退色しにくい青花の性質を生かした美しいアクセサリーなども開発されています。

青花製彩の峯松さんを始めとするたくさんの青花に魅了された人によって、草津はかつての青の街へと蘇ろうとしています。

びわ湖と同じブルーを地元に取り戻す…、若く青い力に導かれ、草津の青花は新しい魅力をまとって花開いていくに違いないと感じました。

そんな彼らと地元の大切な伝統産業「青花」を、私自身少しでもなにかお手伝いできればと考えずにはいられません。

■青花摘み体験(7月〜8月末まで)

問合せ先: 特定非営利法人・青花製彩

電話番号:090-6676-7262(代表)

インスタグラム: aobanaseisai

ツイッター: @aobanaseisai

【青花ついてのお問合せ先】

草津あおばな会 青花紙保存部会

〒525-0034 滋賀県草津市草津3丁目10−4

(草津市草津宿街道交流館内)

TEL:077-567-0030

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