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こんにちは。アントワープ特派員のマユミです。
チョコレートはじめ、スイーツのファンも多いベルギー。
キリスト教カソリックの国で、年末年始には伝統的なスイーツを食べて過ごします。
現在のベルギーは新型コロナウイルスが蔓延しており、ロックダウンも継続中です。
事態が収束し、年末年始の時期に来られたら味わって欲しい、物語のあるスイーツ・その他を、日付順に紹介します。
(掲載のスイーツはベルギーの伝統的なものですので、この時期どこでも購入できます。参考として購入先情報を一部載せています)
ベルギーのクリスマスはひと足早くやってきます。12月6日に「聖ニコラス(英:Saint Nicolas,蘭:Sinterklaas)の日」があり、実際は11月末から各地で、シンタクラースを迎えるイベントなどが行われるからです。
チョコレートやクッキー(ビスケット)は通年送ったり送られたりしますが、特にこの時期はシンタクラースやクリスマスのモチーフをかたどった特別なデザインのものが出回ります。
シンタクラースのお祝いがあまりに盛大に行われるので、私たちのイメージするクリスマスはないの?と思いました。が、あります。やはり大本命は12月24、25日となり、カソリックの国らしく家族と過ごすのが一般的です。
ベルギーのクリスマスケーキはどんな風かというと、現在は多種多様です。でも、昔からの伝統的なクリスマスケーキは"kerststronk"が定番です。切り株のケーキ、ブッシュドノエルのベルギー版ですね。ロールケーキを切り株に見立てた元祖もあれば、モダンなデザインも多いです。私は最もベルギーらしいチョコレートをふんだんに使った"kerststronk"のモダンタイプを選びました。
もうひとつ紹介するのは、クリスマスの伝統的なパン"Cougnou"
はじまりは赤ちゃんだったキリストがおくるみ(またはベット)に包まれてるデザインだったそうです。この原型に近いものを探しました。シンプルなパンに赤ちゃんだったキリストを模した砂糖菓子が添えられたもの。レトロでかわいい!
1月6日にキリストが現世に現れたとされる「Three Kings' Day(Epiphany)」があります。
公現祭に食べるものとしてフランスにはガレット・デ・ロワがありますが、ベルギーにも同様のEpiphany Cake、オランダ語で Driekoningentaartがあります。アーモンドパウダーを使ったフランジパンとカスタードクリームをパイに包んだものが一般的です。タルトにはフェーブという陶器の飾りが入っていて、それを引き当てた人はその日の王様になれるとされています。
ベルギー、おそらくアントワープを中心としたフランダース地区だけと聞いていますが、Verloren maandag(失われた月曜日の意)という日があります。1月6日のEpiphany後最初の月曜日で、今年2021年は1月11日でした。
この日はソーセージの入ったパンと、りんごのパイを食べる習慣があります。毎年のことですが、祝日ではありません。不思議に思い、調べてみたらこんな物語が伝えられています。
昔、低賃金労働者たちはクリスマスから続くパーティでお金を使い果たし、Epiphany後の日曜日には無一文になる人が多かった。翌月曜日、彼らはパン屋に行き、物乞いをしました。パン屋は肉屋から提供された安いソーセージを入れたパンを焼いて彼らに提供したそうです。この慈悲深いお話と習慣がいまも残っているのです。
パン屋さんはこの日たいへん忙しくなるけれど、お金にはならなかったので「失われた月曜日」と名づけられたとか。結果、この習慣が続き、いまでは「1番稼げる日」とも言われています。