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こんにちは。アントワープ特派員のマユミです。
ベルギーでは新型コロナウイルスが蔓延しておりますが、ワクチンの接種も急ピッチで進められています。
先日、2021年5月8日から飲食店のテラス席の営業が再開されました。少しずつお店の情報も紹介していきたいと思います。
今回はコロナ禍のなか、約1年前にオープンした【the London】を紹介します。事態が収束したら訪れてみてください。
【the London】は新開発地区Eilandjeの一角にあります。その名はすぐそばにかかる橋"Londenbrug(ロンドン橋)"から取ったとのこと。また、世界中の料理が集まる町、ロンドンとも関連づけています。
新型コロナウィルスの影響下、閉店する店が増えるなかでの新規オープンはまれでした。応援する気持ちで来店し、過大な期待はせずでしたが、久しぶりにうれしい驚きと目からウロコを感じるレストランでした。
店内から外を見ると、ドックと中央の不思議な形のビルが見えます。これは建築好きには有名なザハハディドさんが設計された、アントワープの代表的な近代建築でもあるHavenhuis(港湾局オフィス)です。
【the London】の料理カテゴリーはBelgian French、つまりベルギーのフランス料理です。でもそれだけにおさまらない発想のおもしろさを感じる料理たちでした。
というのも、シェフのCavaliere Tommy氏は世界中を旅してきた人。旅に料理に対する考え方を完全に変えられたそう。
サイトには「ここは料理の旅の出発点です。アイデアと情熱を持って、あなたを驚きと感動、発見の旅に連れていきます。私たちの使命はあなたを満たされた気持ちでレストランの外に送り出すことです」とあります。それは、席についてすぐに感じました。なんと、熱々のおしぼりが出されたのです。私にとって、ベルギーに来て初めての体験でした。ほっこりとしたとともに、このあとの展開に期待が高まりました。実際、随所に日本やアジアのテイストが施されています。箸も各テーブルにセットされていましたし、メニューには、だし・味噌・ゆずなどの記載も。
まず、日本でいう"お通し"のような前菜セットが出てきました。例えば、揚げ湯葉と桜海老、スイカ(!)のマリネなんて奇想天外な一品も。これがまた絶妙においしかった。
ディナーはおすすめのコース、またはアラカルトを自由に選べます。まずはアラカルトで楽しみましたので、一部のメニューを紹介します。メニューは季節によって変わりますので、ご確認ください。
直訳すると、
ランゴスティーン(赤座えび)ーわさびー米ーセロリアック(根セロリ)になります。
個体が2個ありますが、土台になってるのがセロリアックを蒸したもの、その上に米を衣にして揚げたランゴスティーンがのっています。食感軽くて、カリカリ。緑のピュレ状のものは、セロリアックのピュレにわさびを混ぜたもの。ランゴスティーンが刺身かと思うぐらいレアに仕上がっていて、おいしく、バランスのいいひと皿でした。
白身魚 – 舞茸 – 味噌 – 美味?
久しぶりに舞茸を食べましたが、味噌ソースも含めおいしかった。このメニューはほぼ、和食ですね。
デザートの選択肢はだいたい3つぐらい。ベルギーらしい、こちらをセレクトしました。
薄いチョコレートの板のようなのが散らしてあって、ほろ苦くておいしかったです。
現在はテラス席のみの営業ですが、通常時はさらにサプライズがありました(2020年6月撮影)。食後にカフェをいただこうとしたとき、上階に案内されました。そこには美しいラウンジがあり、ドリンクのみが楽しめる空間になっていました。ゆったりソファに腰かけて、食事の余韻にひたれます。