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こんにちは。アントワープ特派員のマユミです。
コロナ禍ではありますが、ベルギーで初めてお葬式に参列する機会がありました。こういったときに、文化の違いを強く感じるものです。今回の体験を中心に冠婚葬祭についてお伝えします。
その前に、前回ベルギーでの新型コロナウイルス関連情報についてまとめましたが、さっそく変更がありましたので追記します。
よって、2部構成になります。新型コロナウイルスが収束し、渡航を検討する際に参考にしてください。
前回のブログで「ベルギーは日本をレッドゾーンに指定」と書きましたが、2021年6月21日に「緑ゾーン」に変更されました。これにともない、日本からベルギーに渡航する際の措置が一部変更になりました。変更点を抜粋して記載します。下記以外は前回のブログと変更ありませんが、今後の状況次第で変更の可能性はあります。ご入用の都度、下記駐日ベルギー大使館のウエブサイトで確認してください。
変更点1)出発前のPCR検査(出発前72時間以内に実施)
日本からのすべての渡航者の義務ではなくなった。
(しかし、いくつかの航空会社や乗り継ぎ国では、提示を求められることがある。トラブル回避のため、渡航前にPCR検査を受検し、陰性である証明書類を所持することを推奨する)
変更点2)ベルギー到着後のPCR検査
義務なし
変更点3)検疫隔離(10日間)
義務なし
ベルギーは多民族国家で移民も多く、宗教もさまざまです。ベルギーで最も多い宗教はキリスト教カソリック。私が参列したお葬式の故人はプロテスタントでした。基本的に同じですが、カソリックの斎場は教会になるそうです。
故人の亡くなった日からお葬式までは1週間~10日が一般的のようです。その間に近親者はお葬式の案内状の送付などの準備をします。
お葬式前夜、案内状受理者で、希望する人は故人と対面することができます。故人の遺体が棺に入れられるのはお葬式当日で、その後棺は開けられません。日本の棺のように小窓がついていたりもしないので、姿は見られないということです。なので、火葬される前に一目見たいという人などは、安置されている葬儀屋さんの個室で対面します。その状態が日本人の私には衝撃的でした。棺に入る前なので、故人は特別なベット状のものに近親者が選んだ故人の服を着て横たわっています。日本では近親者でない限り、棺に入った故人を斎場で見るのが一般的ですよね。これはベルギー独特の形式だそうです。
斎場は会場中央前方に棺が置かれ、周りにお花や故人ゆかりの品で飾られます。近親者から順にスピーチを行い、合間に故人との写真などを編集して作ったビデオが流されます。
お葬式が終わると、棺を移動してすぐに火葬の手順に進みます。日本では斎場と火葬場が別ですよね。また棺に、故人の思い出の品、手紙や写真を入れたり、ご遺体を囲むように花を手向けたりしますが、これが一切ありません。
火葬の間には、別室にて軽食がふるまわれます。
最後に灰となった故人を陶器の壺の中に入れ、埋葬となります。"骨上げはどうしたの?"と頭をよぎりましたが、それもしないのです。遺体の骨は機械的に粉砕され、灰とともに壺に収められるのだそうです。このような流れで、一気に埋葬まで1日で行います。近親者と希望者だけで、墓地まで行き、墓地の前で近親者から順に、壺に手で触れます。墓石を開けて中に壺を入れます。
お葬式の服装ですが、私は日本式に、すべて黒でのぞみました。アクセサリーは真珠のみ。でも、行ってみればベルギーらしく実に自由で、逆に全身黒なんて私ぐらいでした。シックな色合いのスーツの人もいましたが、カラフルなドレス、普段着の人もチラホラ。呆気にとられました。
これは結婚式にも通じます。
日本のお葬式に参列する場合、香典を包むのが普通で、"香典泥棒"なんて言葉があるぐらいそれなりの額が集まります。必ず、受付があるものですが、ベルギーではありません。お金を包んで渡す習慣がないのです。これは結婚式のときも同じでご祝儀の習慣がありません。基本的に、ベルギー(欧州全体かも)では、支払いは主催者で、香典やご祝儀での補助は期待できないようです。誕生日会も本人が人を集め、支払いもするというシステム。不思議ですよね。