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こんにちは。アントワープ特派員のマユミです。
まず、ベルギーでの新型コロナウイルス状況です。ワクチンの接種スピードは欧州1のままですが、2021年7月1日より学校は夏季休暇に入りました。直前から実施された「夏計画」の影響もあってか、新規感染者などの数値が再び増加に転じています。緩和ムードは強く感じますが、まだまだ安心できる状況にはほど遠いと思います。
さて、今回は、アントワープを離れて、【Leuven】をレポートします。ベルギー在住の日本人にも人気の高い町【Leuven】。ルーヴェン大学で有名な学びの町です。
アントワープからは1時間弱、ブリュッセルからは30分の距離にあります。新型コロナウイルスが収束したら、訪問ください。
まずは、ルーヴェンの誇りでありシンボルとなっている市庁舎を紹介します。町の中心のグローテ・マルクトの一角にあります。
圧巻の繊細な建物は、世界で最も有名なゴシック様式の市庁舎のひとつでもあります。構築には30年かかり、1439年に敷設されました。マシュー・ド・レイエンス率いる建築家チームによる作品です。外壁は、"石のレース"と表現され、よく見るとびっしりと彫像が連なっています。これは聖書や町の歴史に関連する235人の像で、それぞれに物語があるとのことです。
2009年に市役所業務が移転したため、現在の市庁舎は式典にのみ使用されています。
市庁舎は外観だけでも圧巻ですが、内側も見たい方、ご安心ください。この宝石のようなゴシック建築の歴史を学べるガイドツアーがあります。とりわけ、ファサードにある235体の彫像の背後にある物語を知ることができます。さらに、歩行者ホール、大小のゴシックホール、評議会室も訪れます。
市庁舎のすぐ隣に、観光案内所があります。そこで直接、またはインターネットで情報入手、チケット購入ができます。現在、新型コロナウイルス対策中につき、状況に変更が随時加わりそうなので、観光案内所とネットでのチケット購入についての情報を下記に載せます。ご利用の際は最新情報をチェックください。
ベルギーのフランダース地方には13のべギン会院が残っていて、ユネスコ世界遺産に指定されています。その中でもルーヴェンは最大規模となっています。
べギン会院はベルギー独特のシステムで、一般に"修道院"と訳されていることが多いのですが、実際は少し違います。べギン会院とは12世紀以降、ベルギーで女性の自立支援のために設立された共同体です。当時、さまざまな理由から未亡人やひとり身の女性が増えたことで始まり、自立し、生きるために働き収入を得ることを学びました。べギン会院を出て結婚する自由も認められており、女性が自分の意志で行き方を決めることができるという当時にしては画期的なシステムでした。男女平等、リベラルな国ベルギーらしい過去の特徴だと思いますので、今回のテーマにしました。
私個人としては、すでに3ヵ所のべギン会院への訪問歴があったのですが、ルーヴェンのべギン会院、本当に大きかったです。13世紀にできたルーベンのべギン会院は、17世紀の全盛期には約360人が住んでいたそうです。
伝統的な砂岩のレンガで囲まれた中は、通り、広場、庭園、公園、川が流れて、橋があってという具合に、自治体を成しています。住宅や修道院、教会も含まれます。
こうして、べギン会院はベルギーの歴史になくてはならないものとなりましたが、女性の社会進出とともに衰退していきます。そして現在は、ルーヴェン大学の学生や、外国人客員教授、スタッフが住んでいるそうです。一際大きな教会もあり、中からはパイプオルガンの演奏が響いていました。
写真はかつて使われていたであろう、井戸と水道のある広場。
各住宅のドアの上には、キリスト教に関連するモチーフが飾られています。こちらはスペイン人の住居エリアでした。
次回はルーヴェンの続編をお伝えしたいと思います。