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こんにちは。
ベルギーでは新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、バケーションの話題をよく聞くようになりました。
事態が収束したら訪れてほしいおすすめの場所、今回はアントワープの遺産図書館【ERFGOEDBIBLIOTHEEK HENDRIK CONSCIENCE】を紹介します。期間限定でガイドツアーとして公開される"Nottebohmzaal"という歴史的な書庫を中心にお伝えします。新型コロナウイルスが収束したら訪れてみてください。なお、写真掲載につき、【ERFGOEDBIBLIOTHEEK HENDRIK CONSCIENCE】の承認を事前にいただいています。
【ERFGOEDBIBLIOTHEEK HENDRIK CONSCIENCE】はフランダースのオランダ語、文化、歴史のための図書館で、5世紀以上の間、その文化遺産を保存、収集してきました。1481年に設立、約150万冊、並べると約35kmの長さになる本を所有しています。
現在は閲覧室にてコレクションを見たり、調べたりできますが、一般的な図書館とは違い貸出はできません。印象的な書庫スペース"Nottebohmzaal"はこの図書館を象徴する場所で、期間限定でガイドツアーを実施しています。
【ERFGOEDBIBLIOTHEEK HENDRIK CONSCIENCE】は町の中心部にあり、以前紹介した教会、Sint-Carolus Borromeuskerkの隣という立地です。
【ERFGOEDBIBLIOTHEEK HENDRIK CONSCIENCE】のほとんどの本は、"Nottebohmzaal"に保管されています。印象的で美しく、歴史的な魅力もある"Nottebohmzaal"は1936年以来、ショールームとしても機能しており、特別な場合のみ一般に公開されます。
残念なことに光の具合がとても難しく、写真が鮮明に撮れませんでした。雰囲気だけでも伝わればと思います。
17世紀の建物"Nottebohmzaal"はもともとは宗教的な集会や祈りの部屋でした。そしてルーヴェンスとヴァンダイクによる美しいバロック絵画が飾られていたそうです。本はアルファベット順に、本棚の下段に背の高い本、上段に上がるほど背の低い本と収納されています。
ガイドツアーはまず、図書館の外側から建物や歴史の説明が始まり、最後に図書館内の"Nottebohmzaal"の順になっています。
ふたつ前の写真の奥に見える、ふたつの球体はDe globes van Blaeu(ブラウの地球儀)です。右側は天球儀で、星座が確認できました。左は地球儀で歴史のある地図と文字はすばらしかったです。ブラウの天・地球儀は、170年前にHemiksem市長の Baron de Pret de Tervekenからアントワープに寄贈されました。約2世紀後に、Koning Boudewijnstichting財団とBASFアントワープの支援を受けて修復が始まり、2013年9月に復元されました。
図書館では企画展も随時行われており、現在の展示をひとつご紹介。
オランダで終身刑に服していた弁護士で作家のHugo de Grootは1621年3月22日に本の箱に隠れて脱出します。そして400年後、彼の脱出は知的自由の象徴となりました。
作家でアーティストのMaarten Inghelsは"マールテンインゲルスの脱出/ Hugo de Grootへのオマージュ"として、独自のアイデアで現代的な賛辞を送ります。"Nottebohmzaal"の中央に展示されています。
私などはアイデアもデザインもかわいくて見入ってしまいました。
オランダ語のみのガイドツアーはハードルが高いかもしれませんが、フランダースの歴史を感じるにはいい機会だと思います。タイミングが合えばおすすめです。
ガイドツアーは毎年行われています。今期を狙われる場合は、申し込みはお早めに。人気があって、すでに8月は売切れになっています。