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こんにちは。アントワープ特派員のマユミです。
まず、ベルギーの新型コロナウイルス状況ですが、ワクチン接種が進んでいるとはいえ、Rt値などの数値は依然として下がらない状態です。そんな状況もあり、自主的に密を避けて地方に行くことが多いです。
今回は北海沿岸の【Oostduinkerke】を紹介します。新型コロナウイルスが収束したら、訪問ください。
【Oostduinkerke】の一部は北海沿岸のビーチを有し、特に夏にはにぎわいますが、一般的なビーチです。そこから内陸部に入ったところににおもしろい発見があったので、そちらにフォーカスします。
まず、地名の【Oostduinkerke】を紐解いてみます。オランダ語の特徴ですが、ひとつの単語に見えていくつかの単語がつながっている場合があり【Oostduinkerke】は3つの単語がルーツだと思われます。"oost"は東、"duin"は砂丘、"kerke"は教会の意味があり、この町を象徴するものだとわかります。西フランダースなのに、"oost"(東)?と思ったら、これはフランスから見て東という意味。実はビーチ沿いにフランス国境を越えるとDunkirkという町があり、差別化のために13世紀から"oost"が加えられたそうです。【Oostduinkerke】の町は砂丘地帯の中にあり、現在は保護された自然保護区になっています。この自然保護区とビーチ、遊歩道をめぐるハイキングはとても人気があります。
Witte Burgは隣のPanneまで続く、漂流砂丘の一角です。普通の町なかに突然砂丘があるのですから、驚きました。15ヘクタールの小さなエリアでありながら、高さ21mの頂上まで登ると、不思議な光景が広がっています。砂丘に木々や草花の組み合わせは、見たことのない風景で、それがこのベルギーにあるとは意外でした。
町の中心にあり、その大きさからもシンボル的な存在となっている教会です。Witte Burgの東側の麓でもあります。
1952~1955年に建てられた現代の教会は、ブリュッセルの建築家Jean Gilson(1909~1988)が手がけました。塔の正面にあるキリスト像は、彫刻家Jarnost Gauseによって設計され、長さ13.5m、重さは4トンもある巨大なものです。正面にそびえたつのがキリスト像を含む塔、その奥に見えるのが教会となっています。外側から見てもそうなのですが、教会に入ってみて気がつきました。この敷地内の建物のすべては縦長の丸みを帯びた三角形のモチーフでデザインされています。統一感とオリジナリティに感服しました。
【Oostduinkerke】はエビの漁を馬に乗って行う、世界で唯一の場所で、これが名物となっています。2013年、ユネスコは「馬に乗ったエビ漁」を人類の無形文化遺産のリストに追加しました。町の中心には水産博物館もあり、漁業は密接な関係にあります。
交差点の真ん中に「馬に乗ったエビ漁」を植物で再現した像を見つけました。このモチーフはいろいろな素材で再現され、または描写され、町なかや個人の家でも見ることができます。
そして、漁師の家には特徴があります。白壁、オレンジの屋根、ドアや窓枠は緑色と決まっているそうです。それらを発見しながらの町歩きも楽しいです。