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アルメニア-コーカサスの山々の織り成す豊かな自然、古代から受け継がれるアルメニア人の歴史と伝統文化に彩られたこの国は、いつの時代もこの土地を訪れた旅人を魅了してきました。
今回は、アルメニアを旅行する人の多くが玄関口として訪れる首都エレバンで快適な旅行のスタートを切るためのちょっとしたお役立ち情報を紹介します。皆様の快適な旅のお供に役に立てば嬉しいです!
アルメニアの首都エレバンは、政府庁舎が位置する共和国広場を中心に円形に広がっているので、個人旅行でアルメニアを訪れる方、ツアーの自由時間にアルメニア市内の散策を計画している方は、この共和国広場を中心にルートづくりをすることをお勧めします(エレバン市内を通るバスもほとんどがここを通ります)。道に迷ってもとりあえずこの広場まで戻ってくれば、目的地の位置がわかるので、安心です。
共和国広場は、噴水を正面に構えた歴史博物館を右回りに、政府庁舎、郵便局の入ったビル、マリオットホテル、歴史博物館の分室が入居する建物に囲まれています(2022年5月現在)。共和国広場の四方を囲む建造物は、アルメニアの国産の上品な赤みがかった色の凝灰岩で造られています。旧ソ連時代の都市でよく見られるような、コンクリートの建造物群の無機質な印象はありません。歴史博物館の正面東側の公園にあるツーリストインフォ―メンションセンターでは、道案内も含め、目的に応じた情報を入手できます。通りがかったついでになにかおもしろいイベントが行われていないか、情報収集をするのも良いですね。
歴史博物館前の噴水は、"歌う噴水"ともいわれ、夏の始まりから秋にかけて音楽に合わせて水が躍る噴水のパフォーマンスを楽しむことができます。この噴水のパフォーマンスはエレバンの風物詩にもなっていて、パフォーマンスの開催期間中は見学に訪れる人々で広場が毎日にぎわっています。夏から初秋にかけてエレバンを訪れる予定のある方は、夕暮れ時の共和国広場散策もぜひ旅程に加えてください。水の織り成す幻像的なパフォーマンスが、あなたの旅の1ページを鮮やかに飾ります。
共和国広場周辺にも土産店はいくつかありますが、もし、旅行の日程が週末にかかるのであれば、共和国広場から徒歩数分のヴェルニサージュに足を延ばしましょう。
ヴェルニサージュは共和国広場、歴史博物館の正面右手に位置する公園で、週末にはアルメニア各地から民現品を持ち寄った人が市を開くマーケットとしてにぎわいます。
ここでは、民芸品のほかにも骨とう品、リサイクルグッズ、日用品、古本、ソ連時代のミリタリーグッズ、宝石、装飾品、楽器、古銭、切手はては絵画までありとあらゆる物が展示販売されています。買いたい物を決めていても目移りしてしまうので、ここを訪れるときには後悔をしないように時間に余裕を持ちましょう。
民芸品や絵画などは作家本人が店を構えていることもあるので、作品について話を聞いてみるのもおもしろいですよ。話が盛り上がれば、値引きに応じてくれたり、作家さんのとっておきの作品を披露してくれたりなど嬉しいハプニングがあるかもしれません。
町歩きに欠かせないのが、公共交通機関。エレバンの市内で利用できる交通機関は、バス、トロリーバス(電気バス)、地下鉄、タクシーです。
効率よく市内を移動するのにおすすめなのが、オンラインでのタクシー配車(携帯アプリもあり)を利用してのタクシーでの移動です。このシステムを利用すると、現在地と目的地を入力(英語可)するだけで現地語がわからなくても目的地までタクシーで行くことができます。しかもあらかじめ料金も表示されるので安心です。この配車システムは、エレバン市内だけではなくアルメニア国内ならどこでも利用可能です。エレバン市内の近距離であれば約200円(2022年5月現在)から主要な場所に行くことが可能(ラッシュアワーには相対的に値段が上がるので注意)なので、時間の節約のためにもタクシーをうまく活用することをおすすめします。
市内を走るバス、トロリーバスや地下鉄の運賃は100ドラム(2022年5月現在:約30円)で利用できるので非常にお得感がある乗り物ですが、一部のバスを除いて行先は現地語での表示のみなので、乗りこなすのは至難の業です。地下鉄の駅には英語も併記されており、車内のアナウンスにも英語があるのですが、観光名所の近くにある駅が限られているので、地下鉄の駅の近くにある目的地があるという場合以外には使い勝手がよいとはいえません。
エレバン市内では、最近レンタルサイクルやレンタルキックボードのポートも増えています。エコや手軽さという観点から、観光客だけはなく地元の人にもよく利用されています。簡単な手続きで気軽に利用できるので、気候のよい季節には、市内観光にレンタサイクルやキックボードで町歩きにアクセントをつけてもおもしろいですね。
旅先で体調が悪くなってしまったら、せっかくの旅行も台無しです。でも、こればかりは予想がつかないもの。最後は、エレバンで暮らしているからこそわかる、旅行者が頼りにできる日本人の受入実績のある病院の紹介です。
エレバン市内のナイリ総合病院は、24時間急患の受け入れも行っており、英語で診療を受けることができる病院です。ナイリ総合病院は、地元でも定評のある病院のひとつです。病院でかかった費用は、クレジットカードやデビットカードでの支払いもできます。
アルメニアでは日本と同じく院外処方が一般的なので、診療代は病院で支払い、薬などは医師が処方した処方箋を薬局に持参して別途購入します。アルメニアの薬局ではキャッシュレスが進んでいるので、エレバン市内のほとんどの薬局では支払にカードが使えます。市内の薬局では、市販薬も買うことができますが、日本のドラッグストアのように自分で薬を手に取って買うことができる店は少ないので、あらかじめ必要な薬や自分の症状の説明を翻訳アプリなどで調べてから薬局に行くことをお勧めします。
*旅先での診察や治療などに旅行保険を使う予定のある方は、保険を使う際の条件や保険の請求に必要な書類を予め調べておくと安心です。