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こんにちは。デルフト特派員のあおです。
デルフトの観光名所のひとつ、プリンセホフ博物館のすぐそばに「アガタ広場(Sint Agathaplein)」という小さな広場があります。
トラムの走る大通りから立派な門を一歩くぐると行きつく広場で、大きな栗の木が並ぶ閑静な場所です。旧市街側からは、プリンセホフ博物館の入口から入ることができます。
若葉の生い茂る新緑の季節もさわやかですてきですが、栗の木が色づく黄葉の季節もひときわ美しく、ついつい回り道をしてこの広場を通りたくなるような癒やしの場所。
そして、ただの抜け道として通り過ぎるだけではもったいないくらい見どころが隠れているのです。
今回は、そんなアガタ広場の隠れた見どころについて紹介します。
事態が収束し、安心してデルフトへ旅行できるようになったらぜひ訪れてみてください。
この広場でまず視界に飛び込んでくるのは、デルフト焼きの街灯です。
栗の木の間に立つこの3本の街灯は、デルフトの姉妹都市で、デルフト焼きのルーツでもある景徳鎮市(中国の陶磁器の産地)で作られ、2010年に設置されました。絵付けは、Wendy Steenksと中国人アーティストのZhang Ling Yunによるもの。
伝統的な絵柄だけでなく、デルフト工科大学が研究開発するハイパーループも描かれていたりと、じっくり見るとさらにたのしめるオブジェです。
広場の南側にあるこの建物は、16世紀は聖アガタ修道院の一部でしたが、17世紀にはオラニエ公ウィレム1世の娘エミリア王女の住まいとなりました。エミリア王女がポルトガルのドン・エマニュエルと結婚し、その娘たちもここに住み続けていたことから、この建物は「ポルトガル王女の宮廷」として知られていたそうです。
19世紀には兵舎や軍病院となり、さらにその後2013年まではヌサンタラ博物館(Museum Nusantara)として利用され、長い歴史の中でさまざまな運命をたどってきた建物です。
現在は、Prinsenkwartierという企画展の展示やワークショップを行うアートセンターになっています。天気のいい日は併設されているカフェBarbaarに立ち寄って、広場のテラス席で木漏れ日を浴びながらひと休みというのもよさそうです。
アガタ広場の奥の方にこっそりと存在するこちらの建物、実はキャンディ・ショップ(駄菓子屋)で、プリンセホフ博物館の一部なのです。
もともと、1867年に塗料やガラス、石炭の商人だったH.J. Kouwenhoven氏がここに店を開きました。その後、息子が卸売店に変えましたが、学用品やお菓子なども売られていました。1985年、この会社が閉鎖した際、プリンセホフ博物館が店を買い取り、当時のインテリア(1931年のもの)をそのまま引き継ぎました。そのため、当時を知る世代には懐かしく、若い方には昔の雰囲気を味わえる場所となっています。オランダのノスタルジックな雰囲気に興味のある方にはおすすめの場所です。
最後のおすすめは、小さなお庭。
プリンセホフ博物館のすぐ隣には小さな庭があります。
日中は自由に出入りすることができ、よく地元の方や観光客がベンチに座って休憩している姿を目にします。
庭の中央にはオラニエ公の銅像、庭の入口から向かって右側にはガウディ風のデルフトブルーのベンチ(芸術家Marianne Burgersのデザイン)があり、ちょっとしたフォトスポットになっています。春になるとチューリップなど花壇の花が可憐に咲き、小さな癒やしを与えてくれます。
〈参考URL〉
・URL①:https://www.delft.com/
・URL②:https://www.openmonumentendagdelft.nl/en/monuments