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「De Delftse Pauw」はデルフトの北側(住所は隣町のレイスウェイク〈Rijswijk〉)に位置するデルフト焼きの工房です。
ロイヤル・デルフトと比べるとずいぶん小さな工房で、白と青のかわいらしいオランダ式の建物が特徴的です。
デルフトの旧市街からは運河沿いを歩いて約30分、デルフト駅からデン・ハーグ行きのトラム(1番か19番)に乗ると約15分で行くことができます。工房は閑静な住宅街に囲まれ、目の前には大きな運河フリート(de Vliet)がゆったりと流れているので、とても落ち着いたエリアです。
名前にある「Pauw」とは、オランダ語で孔雀という意味。工房の正面には、孔雀のオブジェが飾られています。
観光スポットとしても長年人気のある工房だったので、この工房に思い出のある方も多いのではないのでしょうか。
現在は1階がセール会場になっていますが、工房の方にお願いすると2階も案内していただけます。
2階にはかつての製造スペースのほか、絵付け体験コーナーやHeinen Delfts Blauw商品の展示スペースがあります。
まず案内されたのは、絵付け職人の作業スペース。
職人のほとんどは別の場所へ移ったそうですが、現在はひとりだけここに残って絵付け作業を続けているそうです。平日(毎日ではないそうです)に行けば作業の様子を見ることができるとのことでした。
彼女の描いた別の作品。定番のデルフト焼きとはテイストの異なるユニークな絵柄ですが、花と鳥の絵柄が美しいです。
こちらはオーブン。いまは稼働していないそうです。
部屋の奥には、陶器の形を作るスペース。
石膏型に粘土を流し込み、乾燥させ、オーブンで一度焼きます。その後絵付けをし、つや出しのための釉薬を塗ってからもう一度焼くと、青の美しいデルフト陶器が完成するそうです。
部屋の中央にはワークショップコーナーがあり、有料で絵付け体験をすることができます。
8月いっぱいまではPauwの工房でも実施しているそうなので、気になる方はぜひウェブサイトから予約をしてみてください。9月以降は、Heinen Delfts Blauwの他店舗で、引き続き絵付け体験を実施しているそうです。
詳細は、下記URLより確認してください。
・URL: https://www.heinendelftsblauw.nl/workshops-en-masterclasses
さらに奥の部屋に進むと、Heinen Delfts Blauwの展示スペースがありました。
こちらには、Pauw以外の商品も並んでいます。なかにはこんな大作も!
工房の方々はとても親切で、いい意味で商売っ気がなく、小さな工房ならではの親しみの持てる雰囲気でした。
こんなすてきな工房が閉鎖してしまうなんて、本当に残念です。
閉鎖まで残り約2ヵ月。デルフトに残る数少ない工房の姿を目にするラストチャンスですので、ぜひこの夏はPauwの工房まで足を延ばしてみてください。
なお、先日の記事でPauwのセールは9月15日までとお伝えしていましたが、どうやら9月の上旬にPuttenにある工場内の店舗へPauwの商品が移動されるようです。セールや工房見学が気になる方は、8月中に訪れる方が確実ではないかと思います。(参照:https://www.destentor.nl/putten/fabriekswinkel-met-koopjeshoek-voor-delfts-blauw-aardewerk-opent-in-putten~acaadf7d/ )
最新情報については、Heinen Delfts Blauw社のウェブサイトやSNS(twitterなど)もぜひ確認してみてください。
工房が閉鎖すると、Pauw名義の作品は新しく作られることがなくなってしまいますが、デルフト旧市街のプリンセホフ博物館の常設コーナーに、De Delftse Pauwの作品がすこしですが展示されています。
Pauwの作品が気になる方は、ぜひこちらも訪れてみてください。