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こんにちは。デルフト特派員のあおです。
これまでデルフト特派員として活動してきましたが、このたび日本へ戻りました。
現地在住ではなくなってしまいましたが、最後にいくつか紹介したいことを記事に残してから、特派員活動を締めくくりたいと思います。もう少しだけお付き合いいただけたら幸いです。
さて、今回の引越しでは、オランダのKringloopwinkelを利用する機会がありました。
Kringloopwinkelというのは、いわゆるリサイクルショップのこと。
日本でもリサイクルショップは目にしますが、オランダでは日本以上に数も多く、もっと身近な存在のように感じます。
デルフトにも規模の大小はさまざまですが、いくつも存在します。
実際に利用してみて、なんとも特徴的でおもしろいと感じたので、今回はそんなKringloopについて紹介します。
オランダで物を手放す方法は、日本と似ていました。
「Marktplaats 」というフリーマーケットサイトを利用する、知人に譲る、粗大ごみとして処分するなどなど。ほかには、家の前にGratis (無料)の貼り紙付きで置いておく"ご自由にどうぞ"スタイルもたまに見かけました(笑)なかなかの高確率で引き取り手が現れるそうです。
そうしたなかで、今回kringloopwinkelも利用してみることにしたのですが、理由は、"確実かつ簡単に、でもゴミにせずに"手放すことができそうだったから。
kringloopwinkelは、リサイクルショップですが、買取ではなく寄付で成り立っているそうです。
店によって引き取る基準はさまざまだと思いますが、きちんと使える状態ならなんでも大歓迎というお店も多いようです。
引越し直前で期限が迫っている状況だったのでこれはありがたいと思い、私もkringloopwinkelに持ち込むことにしました。
そうは言っても断られたらどうしようかと、内心すこし不安になりながら不用品を引き取りカウンターへ持って行ったのですが……
"Dankjewel!"(ありがとう) とだけ言われ、10秒足らずであっけなく譲渡終了。品物の確認をする素振りもなしでした(笑)
別の店では、店の定休日に、ドアの前に寄付品が置き去りにされている光景も……
日本だと需要のないものは受取り拒否をされることも多かったので心配していましたが、完全に杞憂に終わりました。
運がよかっただけなのでしょうか? この仕組みのおおらかさには驚きましたが、不用品をゴミにしないためのハードルが低いのはいいことだと感じました。
次に、kringloopwinkelの店内を見てみましょう。
デルフト周辺の店を見た限りですが、ひと言で説明すると…「なんでもあります」。
たとえば、このRataplan という郊外にある大型店。ここは、建物がまるごとリサイクルショップなので、並んでいる商品の数にも種類にも圧倒されました。
家具家電から、衣類、食器、古本や玩具、絵画まで!取り扱うジャンルは幅広く、品揃えはとにかく豊富。
引取り基準のゆるさからも想像がつきますが、商品の状態はピンキリでした。用途不明の物や、もはや捨てた方が……と思える物もありますが、まだ使えるからという合理的な理由が勝ってるのかもしれません。
しかし、なかには掘出し物や心ときめく出合いもあり、まさに宝探し。見始めると止まりませんし、何度も足を運びたくなる魔力があります。特にヨーロッパの食器や雑貨の好きな方にとっては、俗にいう「沼」かもしれません。
こちらは別のkringloopwinkelで見つけた食器コーナー。レトロでかわいらしくて、棚ごと持ち帰りたくなります
オランダ人は倹約家だと聞きますが、新品にあまりこだわらない価値観みたいです。
何か購入する際は自然とリサイクルショップも選択肢に入るようで、どこのkringloopwinkelへ行っても幅広い世代の方でにぎわっていました。
むやみにオランダを美化したいわけではないですが、"エコ意識"が特別高い感じでもなく、かといってケチケチし過ぎた感じもなく、自然体で「まだ使える物を使い続ける」スタイルが根づいていると感じました。
オランダならではともいえるkringloopwinkel。興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
参考までにふたつほどデルフト周辺の店を載せておきます。ほかにも小さなkringloopがたくさんあるので、訪れてみてください。