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ピカピカに磨かれたタイル張りの床。大理石輝く重厚感ある優雅なロビー。レトロな佇まいのなかに残る栄華な歴史。アリゾナ州南部のメキシコ国境の町ダグラス。廃れてしまったこの町で唯一残る豪華な歴史跡。それがこの「Gadsden Hotel」です。
ホテルの歴史は古く、開業は1906年。1976年には、アメリカ合衆国の文化遺産保護制度のひとつである「National Register of Historic Places」に登録されました。
ガズデン・パーチェスにちなんで名付けられた5階建て、160室の堂々たるこのホテルは上流階級たちの憩いの場でした。 ホテルは火災により全壊してしまいますが、1929年に再建されました。
メインロビーには、イタリアから取り寄せた大理石の白い階段と大きな4本の大理石柱。当時の栄華を今に残しています。この階段の6段目には、メキシコの革命家パンチョ・ビリャが馬に乗って階段を駆け上り蹄でついたとされる傷跡があります。しかしそんな荒々しい歴史とは裏腹に『風と共に去りぬ』のワンシーンのような美しいこの階段。社交界パーティに酔いしれた淑女たちの胸をときめかせたことでしょう。
巨大ななか二階の壁一面には、ルイ・コンフォート・ティファニーに師事した5代目職人ラルフ・ベイカーによる南西砂漠のステンドグラス壁画が、42フィート(約13メートル)にわたって広がっています。
ティファニー様式の窓のすぐ下には、オードリー・ディーン・ニコルズの印象的な油絵が飾られています。
ホテルには、レストラン・バー・カフェがあり、小さな博物館もホテルの一角に併設されています。
ポールニューマン出演の『The Life and Times of Judge Roy Bean』やチャーリー・シーン、ナターシャキンキー出演の『ターミナル・ベロシティ』トムセレック出演の『ルビージーンとジョー』など、多くの映画やテレビで使用されたホテルですが、1995年に放映された幽霊番組で、ヒストリールーム333号室が紹介されたことで、ゴーストホテルとしても有名になってしまいました。この部屋から転落死した少年のお化けが出るといわれています。現在、ホテルは1階のロビーと2階の改装済み客室(1日限定5組)でのみ宿泊できますが、リクエストがあれば当時のままの333号室ヒストリールームに宿泊し、ゴースト体験をすることもできます。
レストランで美味しい料理とワインに舌鼓。カフェで淹れたてコーヒーと手作りケーキ。歴史あるホテルで優雅な時を過ごす週末。
笑顔で迎えてくれるスタッフが心に華を添えてくれます。アメリカのゴールドラッシュ時代の栄華を今に残すGadsden Hotel。一度は泊まってほしいおすすめクラシックホテルです。