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マレーシアの観光で外せないスポットとして知られているのがモスク(Mosque/Msjid)。
有名なブルーモスクや、前回ご紹介したピンクモスクともに美しい色が印象的で映えると人気です。
実は前回ご紹介したピンクモスクから南へ約3.3km、車で10分ほどのところに黒とシルバーを基調としたアイアン・モスク(鉄のモスク)と呼ばれるモスクがあります。
外からはモスクの象徴ともいえるドームが見えず、近未来を感じさせるデザインとなっています。
このアイアン・モスクの正式名称はトゥアンク・ミザン・ザイナル・アビディン・モスク (Tuanku Mizan Zainal Abidin Mosque)。
実際には冒頭にお伝えした愛称で呼ばれていることも多いようです。
このアイアン・モスクの一番の特徴は、モスクの象徴であり礼拝の呼びかけアザーンなどを流すためのミナレット(尖塔)がないのです。
「ミナレットの役割はモスクの象徴としての部分もある。現代はモスク内にスピーカーが設置されているので、礼拝の時間などが告知できることが一番大事。現代のモスクとしてこのようなデザインがあってもよいのかもしれないません」(今回話を伺ったスタッフ談)とのこと。
ミナレットがない建築デザインですが、礼拝時間ともなれば他のモスク同様にアザーンが流れてきます。
トゥアンク・ミザン・ザイナル・アビディン・モスク (Tuanku Mizan Zainal Abidin Mosque)の最大収容人数は約2万人。またアイアン・モスクの名の通り、構造の70%(約6000t)に鉄の合金が使われています。また内部のデザインはドイツや中国からインスパイアされた部分もあるのだそう。
アイアン・モスクの両サイドには水が張られています。デザイン性の高い構造でもあり、イスラム教にとって「水」は神から贈り物であり聖なるものの象徴の一つとして設置されているのかと思いきや、それだけではないそうです。
実はこの位置に水場を置くことによって、帰化熱によってモスク内部に涼しい風が吹き抜け、いわば天然のサーキュレーターの効果をもたらすようになっているのだそうです。
実用性だけではなく実際に見てみると水鏡のように風景を映ったり、風が吹くとさざ波が立ったりと水面が表情を変えるので見ていて飽きません。
アイアン・モスクは一般公開されていて見学することができます。
見学方法は、まずガード(警備)の人などに見学希望の旨を伝えると、レンタル用のローブを貸してくれます。
ここで靴を脱ぎます(基本的にモスクは土足厳禁です)。
その後、エレベーターで礼拝堂まであがるとガイドの方が来て説明をしてくれます。
礼拝堂からはプトラジャヤ湖や湖畔に広がる風景も見られるので、こちらもぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
※見学方法などは変わることもあるので最新情報のチェックをお願いいたします。
(撮影by逗子マリナ)
※施設内撮影許可をいただいています。
※写真の無断転載禁止