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熱帯の国マレーシアは実は温泉天国でもあります。
ただし日本の温泉とは異なり、火山性ではなく地熱で水が加熱されたものと言われています。
温泉はマレー半島側にもボルネオ島側にもあり、そのうちのいくつかは温泉施設として整備されています。
温泉施設といっても着替えができる程度の最低限のものから、素朴ながらもホテルが併設されていたりマレーシア風温泉テーマパークのようなものまであります。
しかし、田舎の方に行くと温泉は出ているものの、手付かずの状態になっているところも……。
クアラルンプールから北へ約90km、車で1時間半ほどのところに位置するスリム・リバー(Slim River)にあるのがウルスリム温泉 (Hot Springs Ulu Slim)です。
高速道路を降り、のどかなマレーシアらしい田舎の風景が広がる小さな集落が点在する道を進んでいきます。
近隣は川や湖沼は多く、ローカルに人気のキャンプ場などもあるのですが、ウルスリム温泉 (Hot Springs Ulu Slim)は閑散としています。
実は温泉と言っても「本当に熱いお湯が湧き出ているだけ」だけなのです。
かつては散策路、屋根付き休憩所、そして卵を茹でる場所などがあったのだそうですが、現在はこのような状態になっています。
周辺はのどかでヤギや牛が道を横切ったりする、ゆったりとした時間が流れています。
着く頃には雨は止んでいたのですが、途中強く降ったため冠水しているところがありました。
このウルスリム温泉 (Hot Springs Ulu Slim)ですが、なんとマレーシアで一番熱い温泉と言われていて、その温度104度。この日は外気温が30度以上あったのですが、近づいていくと見るからに熱そうな湯気がでているのがはっきり見えます。
湯気がすぐ目の前に見えると同時に、まるでサウナに入ったような熱気。湿度も相まって蒸しています。
冒頭でもお伝えしたように火山性ではないので、日本の温泉のようにいわゆる硫黄臭というのはありません。
マレーシアの温泉はアルカリ性が多いとのことです。
毎秒27リットルもの湯量を誇る104℃の温泉水は川に流れ混んでいて、近くの河原で露天堀りをすると足湯ができたり、近所の人はこの源泉で温泉卵を茹でたりすることもあるようです。
ペラ州(Perak)政府の管理下でリゾート開発の計画が何度か出ていたようですが、実施されていません。
将来的に温泉を軸にした大型観光施設なる可能性もありますが、現段階では観賞するだけとなっています。
しかし、このような高温の源泉が湧き出てくるのを至近距離で見られるのはそうそうはないかもしれないので、機会がありましたら一度出かけてみてはいかがでしょうか。
※近隣はジャングルが多く、特に雨が降った後は蚊が出てくるので虫除けを忘れないようにしてください。
(撮影by逗子マリナ)
※写真の無断転載禁止