• Facebook でシェア
  • X でシェア
  • LINE でシェア

【滋賀・大津】4年ぶりに復活した春のびわ湖の風物詩・山王祭「神輿渡御」

フナズシマル

フナズシマル

滋賀特派員

更新日
2023年4月16日
公開日
2023年4月16日
AD

こんにちは、滋賀WEB特派員のフナズシマです。
日吉大社の祭で湖国三大祭のひとつでもある「山王祭」が、5月12日〜15日にかけて4年ぶりに本来の姿で行われました。
今回はその中でも「神輿渡御」と呼ばれる神事を見に行ってきましたのでレポートしたいと思います。

道の向こう側が琵琶湖。山王鳥居のところから神輿が湖を渡ります。

「神輿渡御」とは、7つの神輿を下坂本の七本柳から船に乗せ、琵琶湖を渡る神事です。七本柳は日吉大社から2kmほど離れた湖岸の集落です。

かつて明智光秀の城「坂本城」があった

下阪本はかつて織田信長の家臣・明智光秀の城「坂本城」が建てられ、また北国海道(西近江路)が通る交通の要衝でもあったところです。

明智光秀像

現在は城址にはなにも残っておらず、跡地は公園となっています。ただ今も琵琶湖の水面下には石垣の一部が残っており、干ばつで水位が下がった時にだけ見ることができます。

日吉大社といえば山王鳥居

日吉大社は、およそ2100年前に創祀された、全国3800余の日吉・日枝・山王神社の総本宮となります。鳥居の上部に三角の形が乗せられた山王鳥居はそれら山王信仰の象徴となっています。
山王祭の神輿渡御はこの鳥居を潜って琵琶湖を渡るのです。

神輿が通る間は道路も封鎖されます

15日の15時ごろに7基の神輿が車で運ばれてきました。また百人以上はいると思われる担ぎ手の皆さんも一斉に道路を横断し、湖岸へと移動していきます。

煌びやかな神輿が並ぶ七本柳の浜

七本柳の浜に全ての神輿が揃い、勇壮な担ぎ手たちの掛け声のもと所定の位置へと並べられていきます。1基あたり約800kgもあるため、また4年ぶりで担ぎ手の皆さんも久々ということもあってか、なかなかバランス取るのも苦労されていました。

7基が所定の位置へ着いたら、宮司さんによる祝詞が奉納されます。

神輿を扇動する武者姿の男たち

その後は金色の扇子をもった武者姿の男たちによって、神輿はまさに扇動されて船に乗せられていきます。

7基の神輿が乗った台船
出船

7基が乗った台船は太鼓の音を響かせながら、ゆっくりと出船していきます。

近江八景・唐崎の夜雨の舞台にある「唐崎の松」
唐崎沖にて行われる「粟津の御供」

7基の神輿が乗った台船は唐崎神社沖まで琵琶湖を進み、そこで膳所の5つの神社から奉納されるお供えが献じられます。これが「粟津の御供」と言われるものです。宮司は膳所の神職や氏子さんと一緒に小船に乗って台船へと向かい、お供えを奉納するのです。
膳所とは大津市の南にある街で、坂本からは10kmほど離れています。
膳所って滋賀の難読地名ですね。ぜんしょではないですよ、正しくは(ぜぜ)と読みます。膳所は平安の昔から朝廷の御厨(食材を司る役目)をもっていた地域でした。その膳所と坂本の繋がりを祭りの中で再現しているのですね。

まさに平安朝の絵巻を今の世に表している山王祭・神輿渡御。
これからも伝統を残していってほしいと思います。

トップへ戻る

TOP