キーワードで検索
今日は現在プラハで開催中の大人気のアート展示
「Ondrej Sekora- The known and unknown」展を紹介します。
1899年生まれのオンドジェイ・セコラはチェコで最も活躍したイラストレーターの一人であり、特にに子供向けの絵本の著者として知られています。代表作「アリのフェルダ」や「カブトムシのピトゥリーク」といったキッチュなキャラクターが人気です。
今回の展示は普段は現代アート系の展示を多く行うギャラリー、ヴィラ・ペレ(Gallery Villa Pelle)で開催されました。
現在の年配の方々から3世代、4世代と絵本を中心にセコラの本が語り継がれる、まさに国民的な作家の展示会場には様々な年代の鑑賞者がいます。
彼の題材やモチーフの多くは昆虫の世界の物語です。昆虫という人間にとって小さくか弱い虫に目を向け、昆虫世界のストーリーを教えてくれます。子ども達には可愛く昆虫の魅力を伝えていますが、これは人間中心主義的な社会に対してのアンチテーゼも含まれています。
また、ストーリーがその当時の共産主義に対しての批判ともとれる風刺、隠喩を含んだ内容が見え隠れし、作家がアニメやイラストを通して社会に対して強いメッセージを長年掛けて伝えていることも伺えます。
この展示では、絵本となった原画、下絵などが100点以上並び、オンドジェイ・セコラのファンにとってはたまらない内容でないかと思います。
四角の紙の中での平面構成や視覚的絵画のバランス感覚などが絶妙で、一枚一枚を絵として仕上げていることに感動しました。
チェコといえばマリオネットがよく知られていますが、セコラの絵本のキャラクター達のマリオネットはなんとも滑稽でキッチュな作りです。
展示の一角には、子ども達が遊べるスペース、モノクロの映画上映などもされ、親子で楽しめる展示になっています。
ギャラリーの庭にはカフェや野外彫刻などもあり、鑑賞後にはゆっくり春を庭で楽しむのもいいかもしれません。
チェコの絵本やアニメの原画展はそう頻繁に行われているわけでありません。こういった機会に現在では中々見られない手書きのイラスト原画を見て、漫画や絵本の価値を再認識できました。
皆さんも是非ご覧になってみてください。
web: https://villapelle.cz/
instagram: https://www.instagram.com/galerievillapelle/
facebook: https://www.facebook.com/VillaPelle/