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オーストラリアを代表する美術館のひとつ、シドニーのニューサウスウェールズ州立美術館 (Art Gallery of New South Wales) は、2021年に開館150周年を迎えました。
そして2022年12月3日、シドニーモダンプロジェクトの一環として、新しく北館がオープンしたばかりです。
北館は歴史の重みを感じる南館の建物とは対照的にモダンな雰囲気が印象的な美術館で、日本人建築家ユニットSANAAが設計したことでも話題を呼んでいます。
そんな見応えがある美術館ですが、入場は無料。日曜日は無料の日本語ツアーにも参加できますので、シドニーにお越しの際は、ぜひ行ってみてください!
※ この記事に掲載されている写真は、美術館から許可、もしくは提供していただいたものです。
ニューサウスウェールズ州立美術館は、シドニー中心部の東側、ロイヤルボタニックガーデンやドメインのすぐ隣にあります。
古くからある南館と新しく建てられた北館は、隣接はしていますが独立した別々の建物です。
どちらにも館内にカフェやレストランが数カ所あるので、疲れたらゆっくりお茶もできますし、ここでランチすることを計画に入れても良いですね。
ウエルカムプラザから入り口に入ると、明るく開放的な空間が広がっています。
この建物は、建築業界で最も威厳がある賞と言われるプリツカー賞の含む多数の受賞歴がある日本人建築家ユニット「SANAA」が設計したもので、この建物も2023年のオーストラリアン・インテリアデザイン賞 を受賞しました。
ニューサウスウェルズ州の砂から手作業で作られた土壁もあり、近代的でありながらどこか温かさを感じるのは、そういったこだわりを感じるからかもしれません。
この北館では、国内外から集められた21世紀以降の絵画や彫刻などが展示されています。草間彌生の約5メートルに及ぶ作品、村上隆がニューサウスウェールズ州立美術館に依頼されて描いた大きな絵など、見どころはたくさんです。
ということで、北館の見どころをいくつか紹介しますね!
イリバナギャラリー (Yiribana Gallery) では、アボリジナルとトレス海峡諸島の人々の作品が展示されています。「Yiribana」とは、古くからシドニーの土地に住む先住民エオラの人々の言葉で「こちら (This way)」という意味です。
その中のアートのひとつ Yhonnie Scarce の「Death Zephyr (2017)」というガラスの作品は、かつて南オーストラリア州マラリンガで行われた核実験の際に降った有毒な雲を表現しているそう。そんな心にズシッと来る、オーストラリアの歴史に絡む作品もあります。
白い曲線が美しく光がたっぷりの館内ですが、片隅には真っ暗な地下ギャラリーもあります。
これは第二次世界大戦で使用されていた燃料貯蔵庫を利用したギャラリーで、2200 平方メートルのスペースは現在でも微かにオイルの匂いがしていて、当時の様子を彷彿させる興味深い空間です。
開催されていた展示は今月の7月中旬に終了してしまいましたが、また新たなイベントが開催予定とのことなので、その時はぜひ中に入って体験してみてください!
そして、草間彌生がニューサウスウェルズ州立美術館のために作成した彫刻「Flowers that Bloom in the Cosmos (2022)」があるテラスも必見!これはオーストラリアの植物をモデルにしているそうですよ。
こちらで記念写真をどうぞ!(フラッシュを使わなければ美術館内の撮影もオッケーです)
テラスからはウルムルーの町やマリーナなどが見渡せて、とてもきれいです。
ニューサウスウェルズ州立美術館では無料ガイドツアーも開催されおり、日本語でのツアーもあり、北館は毎週日曜日の午後1時から開催されていますので、参加してみてはいががでしょうか?
個人で建物やアートをみて回るのも良いですが、知識豊富なボランティアガイドさんの話を聞きながらアートを鑑賞すると、同じ作品を見ても感動が倍になるので、かなりおすすめです!
オーストラリアにあまり詳しくない人にとっては歴史や出来事を知る機会にもなりますし、長く住んでいる人にとっても知らないオーストラリアの一面を垣間見る機会になります。
現在8人の日本人ボランティアさんがローテーションで案内をしているので、ガイドさんによって違う話が聞けるかもしれないので、何度参加しても楽しいかもしれませんね。
所要時間は約45分、予約は必要ありません。
新しい北館も南の本館もどちらも見応えがあるので、日を分けて別々に来ても良いと思います。
近くにはロイヤルボタニックガーデンやおしゃれなレストランが並ぶウルムルーのワーフなどがありますし、オペラハウスも遠くないので、色々と計画を立ててみてくださいね!