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中央駅やユーロマスト(タワー)など、ロッテルダムにはやけに近代的なデザインの建物が多いという印象を受けたのですが、これは日本の東京やほかの都市のように、第二次世界大戦によって焼け野原から復興を遂げた証のようです。
東京ほど高層ビルがところ狭しと並ぶ大都会ではなく、人口規模でいえばアムステルダムに次ぐオランダ第2の都市ですが、ヨーロッパ1の港を備え貿易、交通、工業、物流の国際的な中心地として栄えています(参照:“History of Rotterdam” Rotterdam University.)。
中央駅から地下鉄で3駅めのブラーク(Blaak)には、これまたモダンなデザインの屋内型フード・マーケット「マルクトハル(Markthal)」があるんです! 目移りするほどストールが並ぶ同市場で、オランダ名物をたっぷり堪能した様子をレポートします。
ブラーク駅に降り立ち、真っ先に目に飛び込んでくるのが2014年にオープンしたマルクトハルですが、そのカマボコのような形と巨大さに圧倒されない人はいないはず。
側面はマンションのベランダのようにも見え、そうだと知らなければいったいなんの建物なのか、皆目見当がつきませんでした。なかに入って2度ビックリ!
壁からアーチ型の天井まで、果物や野菜、植物、昆虫といった色とりどりの絵で埋め尽くされているのです。1階はチーズやお菓子、サラミ、ファーストフード、雑貨など実にさまざまな種類の店が並び、地下にはワイン屋と現地でたびたび見かけてお世話になったスーパー「アルベルト・ハイン(Albert Heijn)」があります。
地上階でも座れる席を用意した店はいくつかありますが、本格的にゆっくり食事をしたい場合、2階にはレストランがあります。
「わざわざ探してまで食べに行くのも面倒」「でもやっぱりその国の名物は食べてみたい」と、密かに探し求めていたニシンのサンドイッチ(Brootje Haring)を「アンダラス・フィッシュ(Andalus Fish)」で見つけたときは心のなかでガッツポーズをしました。
単品で€3.5、同じく、自動販売機で売っているほどメジャーだという国民食、オランダのコロッケもしっかりあって「そうそう、こんなふうに気軽に試食してみたかったのよぉお! 」と自分のニーズにドンピシャだった同店に感動です。
手頃な値段と豊富なセットメニュー、新鮮な魚介類のディスプレイがあるせいか人気は高いようで、注文客がひっきりなしにやってきました。わかりやすい写真つきのメニューが不慣れな観光客にも優しく、番号を言えばいいだけなのは助かりました。番号札を持って2階に上がり、できあがったら自分で取りに行くというシステムです。
軽食にもかかわらず広々とした席で階下の喧騒から離れ、ゆったり食事がとれるのはお得な気分です。念願のニシンサンドにフィッシュ・スープと魚介尽くしのランチに大満足したのでした。
ちょうどアンダラス・フィッシュの横はワッフル屋さんだったので、試食に釣られてフラフラと覗いてみました。「(Goudstroop)」では、さまざまなブランドの商品を取り扱ってます。
正直ワッフルに関しては分厚いベルギー派で、オランダのゴーダが発祥の薄くてパリパリしていそうなストロープ・ワッフルには興味がありませんでした。ところが……なにごとも食わず嫌いはダメですね!
店頭でいただいてみると、あっさりノックアウト。挟まれたキャラメルが濃厚で、ワッフル生地ももっと味気ないものかと思いきや、意外にしっとりと食べ応えがあります。こんなにもおいしいとは、青天の霹靂です。
さっそくオランダらしいデザインの缶入りをイソイソと会計レジまで持っていくと、そのすぐあとに来たお客さんはワッフル1枚、単品で注文しているではないですか。不躾ながらも不思議に思ってジーっと見ていると、店員が鉄板でなにやら焼きつけています!
普通サイズより大きいワッフルを、鉄板からヘラで持ち上げたと思ったら最後は半分に折ってフィニッシュ、紙で軽く包んで手渡していました。ななんと、同店ではできたてワッフルを食べられるということです。
オランダ人はコーヒーや紅茶のカップの上にあのワッフルを置き、挟まれているキャラメルやシロップを熱で溶かしてから食べる、ということは事前学習していましたが、このような食べ方をお店でできるとはつゆ知らず。ここでも貴重な目撃をさせてもらったマルクトハル・マーケットでした。なお、1枚€2.5でスタンダードなシロップ、ヌテラ・チョコ、キャラメルの3種類の味から選べます。
5年の歳月をかけて建築されたこのユニークなマーケットは、もともと屋外での生鮮食品販売が、新たなヨーロッパの規則により厳しくなったことがきっかけで生まれました。
2009年にはさっそく対策案が練られ「世界のどこにも見られない」唯一無二の市場を作るべく、プロジェクトが立ち上げられたそうです。完成までの秘話やそのほかの設備情報など、詳しくは以下の公式ウェブサイトをご覧ください。